テレビやアンテナを設置したりつないだりしていると、ケーブルの長さが不足してしまうことはありませんか。
テレビの設置場所を変えるまたはアンテナの移設の際に起こりやすいトラブルです。
そんな場合はケーブを延長することで解決を図ってみましょう。
ケーブルの延長方法にはいくつかやり方があるので説明します。
また、気になる画質への影響についても解説するので、延長するときの参考にしてください。
延長はやはり不安というときの解決法についても紹介します。
アンテナケーブルを延長する4つの方法
中継接栓や中継器を使用して延長する方法
中継接栓や中継器を使う方法は、アンテナケーブルの長さを延長したいときの一般的なやり方です。
中継接栓も中継器もホームセンターや家電量販店などで気軽に購入でき価格帯も200円〜300円前後と手ごろ、複数個まとめて購入すると割安になりお得です。
最近では、100均でも販売されており手軽に購入できます。
国内メーカーの製品に比べると品質は落ちますが、少しでも安く揃えたい方は便利です。
知っておくと便利ですし、手軽にケーブルの延長ができます。
ケーブルの延長には中継接栓または中継器のほかに、延長用のケーブルを両方用意します。
このやり方は特に工具類なども不要なので、始める前にはこれだけ用意しておけば特に問題はありません。
中継接栓も中継器も両側が接続できるようになっています。
ホームセンターや家電量販店でどちらも購入可能です。
延長用アンテナケーブルは1mや2mといった長さのものが売られています。
必要な長さをあらかじめ測っておき、間違えないように購入しましょう。
やり方は簡単です。
アンテナプラグの端と延長用アンテナケーブルを中継接栓または中継器を間に入れて接続しましょう。
抜けないようにしっかり締めたら完了です。
あとは延長したケーブルの方をテレビ端子などにつないでください。
TV接続延長ケーブルを使用して延長する方法
ケーブルの延長方法としてTV接続延長ケーブルを使用するとさらに簡単に延長が可能です。
これは既存のケーブルに直接接続できるもので、従来の中継器や中継接栓を間にいれる必要がありません。
長さにはいろいろ種類が出ているので、延長したい長さを調べて購入しましょう。
屋内でちょっと長さを足したいときや部屋の移動などでテレビを置く場所が離れてしまうようなときには工事をすることもなく手軽です。
価格は販売店や長さに応じて異なりますが、高いものでも3,000円ほどで購入できます。
時間も工具もかからず手間取るということもまずないでしょう。知っているととても楽な延長方法です。
屋外のアンテナケーブルを延長する方法
屋外のアンテナテーブルを延長する場合は、防水タイプの中継器などが売られているので購入してみましょう。
自己融着テープなどで接続面を巻き、それで防水をするという処理をする人も多いですが、この方法はあまりおすすめできません。
環境によって劣化の進行は異なりますし、すぐに水が侵入するとは言い切れません。
実際にこの処置で何年も使用できる場合もあります。
しかし、あくまでも確実な防水方法とは言えません。
屋外アンテナケーブルを延長するなら防水タイプの中継器などを使用するか、専門業者に依頼する方が安全です。
また、屋外の場合は延長する場所によっては注意して配線しなくてはなりません。
紫外線と雨水による劣化や影響は環境で異なるため、長く安全に使用するなら専門家に相談するのが一番です。
アンテナケーブルを自作して延長する方法
アンテナケーブルは自作し延長することが可能です。
こちらでは、アンテナケーブルを自作する上での準備物、作業手順、注意点についてご紹介します。
【準備物】
・両端が未加工のケーブル ※30mで相場2,000円程度
・アンテナ接栓(コネクタ) ※数百円程度
・かしめリング ※数百円程度
・ペンチ、ニッパー、カッターなどの工具
【手順】
①テレビの電源を落とす
②ニッパーでアンテナケーブルを適当な長さにカット
③ケーブルの両端部分のゴムを、カッターで1〜2cm程はがす
④絶縁体とアルミ箔をカッターで1cm程はがす
⑤ケーブルにかしめリングを通す
⑥ケーブルにアンテナ接栓(コネクタ)を通す
⑦ペンチでかしめリングをしっかり締める
⑧受信状況を確認する
【注意点】
アンテナ接栓(コネクタ)は、同軸ケーブルの3C、4C、5Cなどの太さに合わせて購入しましょう。
アンテナケーブル延長の際のよくあるトラブルは?
画質が悪くなってしまう
ケーブルを延長する際に気になるのは画質への影響ではないでしょうか。
どんなに手軽で簡単にできても、肝心の画質が悪くなったり受信できなくなったりしては本末転倒です。
中継器やTV接続延長ケーブルなどを使用してケーブルを延長した場合の画質については、その感じ方に個人差があります。
また、使用している機器によってどう影響が出るかは一概には言えません。
ケーブルの長を延長する方法として多くの人が気軽に実践している方法で、画質に対して気になったという意見は少ない傾向はあります。
ただし、長いあいだ使用するうちには、例え屋内であっても環境によっては接続部分のホコリの蓄積や緩みなども考えられます。
長く使用することを考えたら、できれば接続面のない長いケーブルに変えるほうがいいでしょう。
屋外の場合も安心ですし、アンテナの設置場所に応じた見栄えの良い処理も期待できます。
怪我をする恐れがある
アンテナケーブルの延長をする際、よくあるトラブルとして怪我をしてしまうことが挙げられます。
ケーブルを延長する場合、ケーブルの配置にも注意を払いましょう。
普段歩く同線にケーブルがあると、小さいお子様やお年寄りなどが足を引っかけ転倒してしまう恐れもあります。
ケーブルは生活の邪魔にならないよう配置することが大切です。
例えば、壁に沿ってケーブルを配置するなどの対策がおすすめです。
ケーブルが壁沿って配置されていることで、つまづいたりする心配がありません。
壁に沿って配置するためにも、ケーブルの長さには注意しましょう。
ケーブルが長すぎたり短すぎると、配置も難しくなります。
壁に沿って配置することを念頭に置いて、ケーブルは適切な長さのものを選ぶようにしましょう。
ケーブルが断線してしまう
先程、普段歩く同線にケーブルがあることで足を引っかけ怪我をしてしまう恐れについてご紹介しました。
実は、ケーブルが同線にあることで足で踏みつけケーブルが断線してしまう可能性もあります。
同線に配置されているだけでなく、テレビのある別の部屋にケーブルを延長する場合にも注意が必要です。
別の部屋にケーブルを延長するということは、ドア部分にケーブルを通すことになり、ドアの開け閉めによって断線することが考えられます。
この場合、ドアを取っ払いロールカーテンやのれんなどをつけるか、ドアを開けっぱなしにしておくなどの対策が有効です。
尚、ケーブルが家具の下敷きになることで断線する恐れもありますので、ケーブルの配置には十分に注意してください。
アンテナケーブルの延長の際に画質が悪くなる原因は?
電波の減衰現象
アンテナケーブルの延長の際に画質が悪くなる原因として、まずは電波の減衰現象が考えられます。
電波の減衰現象とは、アンテナケーブルが長すぎたり細すぎたりする場合に起こりやすく、これらが原因で受信した電波が弱くなることを指します。
アンテナを通して受信する電波は、アンテナケーブルをとおしてテレビに届きます。
アンテナケーブルを電波が通る際、熱エネルギーになり通る途中に電波が漏れることにより電波は弱まっていきます。
これらを抑えるためにも、アンテナケーブルの長さや太さは適切である必要があります。
一般的に、家庭用アンテナケーブルの規格・太さは2C〜5Cとなっています。
テレビ周辺で使用するのか、屋外で使用するのかによって選ぶ太さは変わってきます。
ケーブルの断線や劣化
アンテナケーブルの延長の際に画質が悪くなる原因として、ケーブルの劣化や断線なども挙げられます。
ケーブルの劣化や断線が起こる原因には様々な要因が考えられます。
ますは引越しなどがあった場合にも、ケーブルを新調せずもともと利用していたケーブルを使いまわすなどしたい場合、ケーブルの劣化や断線を引き起こす可能性があります。
その他には、先述でもご紹介した通り、ケーブルが生活同線に配置されていてその上を歩いている、別部屋にケーブルを繋げるためにドア下に挟まっている、家具の下敷きになっている場合にもケーブルの断線や劣化はしやすくなります。
ケーブルの断線や劣化が原因ではないかと疑った場合には、複数台テレビがあれば別のテレビにケーブルを繋げて確認してみると良いです。
他のテレビでも画質の悪さなど症状が同じであれば、アンテナケーブルに問題があると判断できます。
屋外での防水加工対策が不十分
屋外での防水加工対策が不十分であったことが原因となり、アンテナケーブルの延長の際に画質が悪くなることもあります。
屋外にあるアンテナケーブルの延長の手順は、基本的には屋内のケースと変わりません。
しかし、アンテナケーブルが屋外にある場合は、防水加工をしっかりと施す必要があります。
防水加工が不十分な場合、ケーブルの接続分に水が入りケーブルの劣化や故障の引き金になります。
防水加工の方法としては、ケーブルの接続分に防水テープを利用ししっかりと巻き付け、水がケーブルの中に入らないようにします。
また、防水加工の施された延長ケーブルなどもありますので、屋外専用のケーブルを選ぶ事も有効です。
アンテナケーブルは電波を受信する要です。
そのため、アンテナケーブルが風雨にさらされ地デジ放送などが映らなくなったり、画質が悪くなることがありますので注意しましょう。
ケーブル同士の繋ぎが不十分
最後に、ケーブル同士の繋ぎが不十分であることが原因となり、アンテナケーブルの延長の際に画質が悪くなることもあります。
ケーブルの接続方法に「手ひねり」「イモつなぎ」と呼ばれるものがあります。
これらは、ケーブルの外側のビニール部分「被膜」がはがし、ケーブルの中の同線をむき出しの状態で無理やり接続していることを指します。
先述で屋外のケーブルの防水加工について注意するべきとお伝えしましたが、屋内にケーブルがある場合にもケーブルの接続は適切に処理する必要があります。
ケーブル同士をつなぐ配線がむき出しになっていることで、そこから電波が漏れだし電波の減衰に繋がります。
電波の漏れだしはテレビの画質に影響を及ぼすだけでなく、周囲の家電にも悪影響を及ぼします。
周囲の家電に不具合が出てしまった際、ケーブル同士の繋ぎが不十分さが原因であると特定することは困難と言えます。
電波障害を起こすため、ケーブル同士の接続は適切に行うようにしましょう。
アンテナケーブル延長の際にテレビが映らなくなる原因は?
アンテナケーブル延長の際にテレビが映らなくなる原因として、テレビの増設が関係している場合があります。
こちらでは、テレビを増設した際にテレビ映りが悪くなる原因と対策、注意点についてご紹介します。
原因 | 対策 | 注意点 |
端子の接続を間違えている | 接続部分が合っているか確認してみる | 配線があっている場合、さし直すことで改善することがある |
分配器を使いテレビを増やしすぎた | ブースターを設置する | ブースターの設置は専門的な技術と知識が必要、専門業者に依頼する方が良い |
衛星放送を視聴するのに分波器がなかった | 衛星放送を視聴できるテレビを増設する場合、分波器を設置する | 地デジしか見ない、BSアンテナがない場合には分波器は不要 |
複数台のテレビで衛星放送を視聴するのに一端子通電形だった | 複数台のテレビで衛星放送を視聴する場合には、全端子通電形の分波器を選ぶ | 1台のテレビでしかBS放送を見ない場合は一端子通電形でも大丈夫 |
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アンテナケーブルの延長以外でテレビを見る方法
こちらでは、アンテナケーブルの延長以外でテレビを見る方法とその注意点についてご紹介します。
テレビを見る方法 | 詳細 | メリット | 注意点 |
無線LANを使ってアンテナケーブルを無線化 | アンテナで受信した電波を映像データ変換、Wi-Fiや無線LANを使ってテレビに飛ばす | ・アンテナ端子がない部屋でも視聴可能 ・無線で増設できる |
・LAN環境に大きく左右される ・設定が面倒 |
室内アンテナを使う | 室内アンテナとテレビを接続する | 1台でどこでも視聴可能 | 室内アンテナは受信感度が低いため、強電界地域のみ使用可能 |
テレビ用コンセントの増設 | アンテナケーブルを短くするため、テレビ用のコンセントを増やす | ・安定した電波で視聴可能 ・アンテナケーブルも短くてすっきり |
コンセントの位置を変えずらい |
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アンテナケーブルに関するよくある質問
BS放送やCS放送でも問題なく視聴できる?
中継器や中継接栓、TV接続延長ケーブルを使用してのケーブルの延長方法は、家庭でもできる一般的な延長方法です。
BS放送やCS放送でも通常は視聴に影響はしません。
ただし、BS放送やCS放送に対応したものを使うことが原則です。
気になり方は個人差があるので、画質をとにかく優先したいという人は延長するより必要な長さのあるケーブルを新たに用意したほうがいいでしょう。
そうなると、屋外からの引き込みなどの作業もともなってきます。
一般の人ではなかなか難しい作業も出てくるかもしれません。
ケーブルの長さが足りないという事態になるのは、新しいアンテナや機器を設置したときです。
または引っ越しなどの場合も、新居では従来のケーブルでは足りないということも出てくるでしょう。
このような事態を防ぐには、あらかじめ引っ越しに合わせて設置工事を依頼しておくといいかもしれません。
アンテナの種類も豊富になっているので、外壁に合わせた色調にするなど、景観を損ねない工夫も可能です。
アンテナケーブルにはいくつか種類がある?
アンテナケーブルには、以下3つの種類があります。
①室内用のケーブル
室内用ケーブルは、テレビ本体とコンセント、テレビ本体と外付けレコーダーどを接続する際使用します。
ケーブルの両端にはプラグがついていますが、製品によってL字型のものS型のものと形状が異なります。
②引き込み用ケーブル
壁に穴を開けることなく、サッシなどすき間からテレビアンテナケーブルを屋内に引き込む場合に使用します。
工事をすることなくアンテナ本体とテレビを接続することができます。
③屋外用ケーブル(長尺ケーブル)
屋外で使われることを前提に作られた、ケーブルです。
地デジアンテナ業者が利用することが多く、10~100mの束で販売されています。
アンテナケーブルの規格・太さにはどんな種類がある?
アンテナケーブルの規格・太さについてご紹介します。
家庭用のアンテナケーブルは一般的に2C〜5Cの規格のものを使用します。
規格ごとの用途について簡単にご紹介します。
規格 | 太さ | 長さ | 用途 |
2C | ケーブル直径 約4㎜ | 1m~5m程度 | 室内のテレビ周辺で使用 |
3C | ケーブル直径 約5.4㎜ | 1m~5m程度 | 室内のテレビ周辺で使用 |
4C | ケーブル直径 約6㎜ | 5m~15m程度 | 室内での接続時に使用 |
5C | ケーブル直径 約7.7㎜ | 10m以上の長距離 | 室内と屋外で使用 |
上記、規格のC前の数字が大きくなる程、アンテナケーブルは太くなります。
細いアンテナは、細やかな配線がしやすい、見た目がすっきりするといったメリットがあります。
一方、太いアンテナは踏んだり曲げたりしても断線しづらい、ノイズが発生しにくい、電波の減衰量が少なくなるなどのメリットが挙げられます。
双方メリットがありますが、用途をきちんと把握した上で最も適切な規格のケーブルを選ぶことが大切です。
アンテナケーブルの長さはどれくらいが良い?
アンテナケーブルの長さは、アンテナ本体からテレビまでの距離によって最適な長さは異なります。
6畳のワンルーム、6畳の私室である場合は、2〜5メートルほどの長さであれば十分です。
上記より少し広めのリビングや8畳ワンルームなどでは、5〜10メートルほその長さがあると安心です。
先述でもご紹介した通り、アンテナケーブルは長ければよいというものではありません。
それは、長ければ長いほど電波の伝達量が減るからです。
従って、なるべくアンテナの長さは短い方が良いですが、長さが足りなければ本末転倒です。
ご家庭の状況にあった長さを選ぶ事が大切です。
尚、テレビと壁の端子の距離が短ければ、アンテナケーブルもその分短く済み配線もしやすくなりますので、その点も考慮しアンテナケーブルの長さを判断しましょう。
アンテナケーブルのプラグの形にはどんな種類がある?
アンテナケーブルのプラグの形には4種類あり、ご家庭によって選ぶべきプラグも異なります。
プラグの形 | 写真 | 特徴 |
ストレートプラグ | ![]() |
・最も一般的なプラグ ・ケーブルを曲げると断線の恐れがあり、狭い場所宇での使用には不向き |
L型プラグ | ![]() |
・プラグがL字に曲がっている ・壁に沿わせて接続でき、狭い場所での使用におすすめ |
F型プラグ | ![]() |
・ねじこんで接続する ・ストレートプラグより抜けにくい ・壁のテレビ用コンセントがねじ込み式になっている場合、F型プラグでないと接続できない |
混合型 | ![]() |
・片方がL字プラグで、もう片方がストレートプラグになっている ・片方がF型プラグ、もう片方がストレートプラグになっているタイプもある ・L字プラグ側を壁の端子に接続し、ストレートプラグ側をテレビやレコーダーに接続して使うのがおすすめ |
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まとめ
こちらの記事では、アンテナケーブルを延長する方法についてご紹介してきました。
テレビの設置場所を変えるまたはアンテナの移設の際、アンテナケーブルを長さが足りないということはよくあります。
そんな時、場合によってはご自分でアンテナケーブルを延長することも可能です。
しかし、ご自分で対応される場合のリスクなどをきちんと把握せず強行した場合には、テレビの画質が悪くなるなどトラブルに繋がることもあります。
最悪のケースにならぬよう、こちらの記事が参考になったら幸いです。
尚、ご自分での対応が難しいと感じた場合には、無理をせず専門業者に相談されることも大切です。
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