突然テレビの映りが悪くなったり、画面にノイズが走りよく見えなくなったりするなど、困ったことはありませんか?
テレビ映りが悪くなる原因には様々な事柄が考えられますが、もしかしたら問題はテレビそのものではなく、アンテナの方にあるかもしれません。
アンテナや周辺機器が故障している場合には、そのまま放置していても解決しません。
そこで今回は、テレビ映りが悪くなる原因とアンテナのチェック方法について詳しく解説します。
アンテナの種類と仕組み
~八木式アンテナ~
八木式アンテナはいくつかある地上デジタル放送用の中の一種であり、仕組みが研究され始めたのは戦前の1920年代と歴史あるアンテナです。
現在は地デジ放送を見るためのUHFアンテナとして、以前はアナログ放送を見るためのVHFアンテナとして活用されました。
八木式アンテナは、戸建てに限らずアパートやマンションの集合住宅の共同アンテナとしても活躍しています。
屋根の上に立っているメージですが、電波状況によって外壁や破風、屋根裏にも設置されています。
屋根馬(4本足の土台)、マスト(支柱)、ステー(針金の支線)などの部品から成り立っています。
関連記事:【UHFアンテナとは?アンテナの種類と仕組みを知ろう】
~デザインアンテナ~
デザインアンテナは、2016年に登場した地上デジタル放送用のアンテナです。
デザイン性に優れ、更には豊富なカラーバリエーションが揃っていることから、ご自宅の外観を損なわずに設置ができると人気を集めている商品です。
別名フラットアンテナ、平面アンテナ、壁面アンテナとも呼ばれています。
スタイリッシュな見た目ばかりでなく、受信性能や耐久性も優れています。
付属の取付金具で壁面などに取り付け、近くの電波塔に受信面を向けて設置します。
デザインアンテナは壁面だけでなく、ベランダや屋根裏に設置することも可能です。
~BS/CSアンテナ~
パラボラアンテナとは、丸いお椀型のアンテナのことで短い周波の電波を受信するアンテナです。
お椀型であることで多くの電波をキャッチすることができます。
お椀型の部分でキャッチした電波を反射させ中心部分についている金属部分に集中させることで、テレビを視聴するために十分なレベルの電波を受信しています。
雨風に強いメッシュタイプのモデルもあります。
アンテナの寿命は?
一般的に、アンテナの寿命はおよそ10年といわれています。
購入してから10年を過ぎた場合には、一度メンテナンスを依頼するのがおすすめです。
室外に設置している場合、アンテナがどれだけ劣化するかということは天候などの環境に大きく左右されます。
とりわけ塩分は金属をさびさせる性質があります。
そのため海沿いに住んでいる人は、こまめにアンテナの点検をするべきでしょう。
アンテナに問題があるかどうかを見極めるポイントは、複数台テレビを所有している場合すべてのテレビが映らないのか、一台だけ映らないのかということです。
もしもすべてのテレビに不具合が起きている場合、原因はアンテナやその周辺機器になると考えられます。
テレビアンテナが原因で起こる不具合とは?
テレビアンテナが原因で起こる不具合は様々です。
もっとも多い原因としてあげられるのが、アンテナのズレです。
通常であれば金具やワイヤーでしっかりと固定されているアンテナが、台風による強風や冬の積雪などの重みでズレてしまうことがあります。
アンテナの向きがズレてしまうとテレビ映りが悪くなる可能性が高くなるため注意が必要です。
映像の乱れ
映像に乱れが生じる、映らないというトラブルにはいくつかの原因が考えられます。
映像がモザイクのように乱れたり、横線などが入ったりするといった状態のほとんどがアンテナからテレビに届く電波の受信レベルが低いことで発生します。
その場合はまず、テレビの設定画面からアンテナレベルを確認しましょう。
全チャンネルを見ても全体的に画像が乱れる場合は、電波状態が悪い、またはアンテナ本体やケーブル、機器などにトラブルが起きており、アンテナからテレビまで届く過程で電波が弱まっている可能性があります。
また、特定のチャンネルのみであれば、コードなどの接触不良の可能性があります。
アンテナと接続するプラグのゆるみなど、接触を確認しましょう。
音声の乱れ
テレビの音割れはテレビの不具合だけでなく、アンテナが原因で発生することもあります。
台風などの強い悪天候が原因でアンテナの向きがズレると音声に乱れが生じることがあります。
アンテナの方向調整は自分で対処することは難しいため、アンテナ業者に依頼すると良いでしょう。
また、テレビ周辺には様々な機器が接続されています。
これらを繋いでいる配線の接続不良や断線が起きていると異音の原因になることもあるのです。
テレビ周りの配線が正しい箇所にしっかりと差し込まれているか確認しましょう。
テレビが映らない
「E201」「E202」「E203」などのエラーコードが表示され、チャンネルが全く映らなくなってしまうといったケースもあります。
エラーコード”E201”は、アンテナは電波を受信しているものの、受信レベルが低いためテレビ放送を表示できない状態を指します。
原因はアンテナの向きがズレるなどのトラブルで受信レベルが下がっていたり、悪天候の影響で一時的に電波状態が悪くなっていたりすることが考えられます。
天候の回復により、映りが回復することもありますがエラーコードが解消されない場合はアンテナの修理が必要になる場合もあります。
関連記事:【テレビの電波が弱い・悪いときの原因と対処法を徹底解説】




アンテナが正常な場合はブースターを確認しよう
アンテナやテレビに問題がなければ、ブースターなどのアンテナ周辺機器に問題があるのかもしれません。
もしも自分でチェックできる場合には、ブースターが正常に起動しているかどうかを確認しましょう。
自分でできない場合には、業者に依頼するのがおすすめです。
ブースターの寿命
自宅にブースターは取り付けられていますか。
テレビブースターの寿命は、およそ10年といわれています。
寿命を超えた古いブースターを使用し続けているとアンテナやテレビ問題がなくても映像に乱れなどが発生することがあります。
ブースターを交換するだけですっかり調子が戻ることもあるのです。
ブースターのみ交換となればアンテナやテレビの修理が不要となり、修理費も比較的安価に抑えることができます。
もし自宅にあるブースターが設置してから10年以上経過している場合は、交換も視野に入れておくとよいでしょう。
電波が強く正常に作動していない
これまでアンテナの不具合やテレビの不具合、ブースターの故障などによるアンテナレベルの低下が原因と紹介してきましたが、アンテナレベルが強すぎる場合も映りが悪くなる、または映らなくなってしまうことがあります。
ブースターは本来、電波が弱いときに増幅させるための機器です。
そのため、電波が十分な場合は取り付ける必要はありません。
電波が強いのにもかかわらず取り付けられている場合は、ブースターが異常をきたしテレビが映らなくなってしまうことがあります。
設置したばかりなのにテレビが映らないといった場合は、電波状況を調査してもらうと良いでしょう。テレビブースターが必要ない環境かもしれません。
電波の異常発振
さらにテレビ映りが悪くなる原因のひとつとして、電波の異常発振が挙げられます。
異常発振とは、ブースターが過剰に作動してしまい電波を増幅させることで、その電波が必要な電波を妨害してしまうといったケースです。
この症状は、出力用のケーブルや入力用のケーブルを整理整頓のため束ねてまとめておいたり、テレビブースターとアンテナの距離が近かすぎたりすると起こることがあります。
この問題を解消するには専門的な知識を要するため、素人には修理することが難しいでしょう。
そのため、業者に依頼することをお勧めします。
アンテナ・ブースターの寿命を長持ちさせるポイントとは?
アンテナやブースターの寿命は一般的には10年といわれていますが、設置している環境によってそれ以上の期間使用できることもあれば、もっと早くに寿命が尽きてしまうこともあります。
10年というのはあくまでも目安であり、実際は設置している環境によって異なると考えた方が良いでしょう。
なかには20年以上前に取り付けたアンテナを使っている方もいるほどです。
アンテナやブースターの主な劣化・故障原因は天候によるものです。
アンテナは屋外に設置されることが多いため天候の影響をダイレクトに受けてしまいます。
とくに海岸に近い地域にお住いの方は潮風がアンテナ・ブースター本体、周辺金具の錆びを早く進行させてしまうのです。
積雪の多い地域では雪が積もりアンテナのズレや倒壊につながる恐れも。
これらの影響を最小限にするためには屋内に設置するのが一番です。
しかし電波の関係で屋外にしか設置できない場合には、ベランダや軒下に収まる箇所など、設置個所を工夫することで天候による故障や劣化を最小限に抑えることが期待できます。
アンテナの買い替えを検討するタイミングは?
複数のチャンネルで映るか
普段見ているチャンネルの中で、
”どれか1つのチャンネルだけ映らないのか”
”全てのチャンネルで映らないのか” を確認しましょう。
テレビを買い替えた、設定をリセットした、引っ越しをして住む地域が変わったといった場合には、チャンネル設定をしないと正常に映らないケースがあります。
また複数のチャンネルで映るが、あるチャンネルだけ映りが悪いといったケースはアンテナの方向調整やケーブル、周辺機器の修理で受信レベルが復活することがあります。
しかし、ほとんどのチャンネルでブロックノイズが起きたり周辺環境を見直したりしても改善されない場合は、アンテナ本体の交換を視野に入れると良いでしょう。
傾いていないか
屋根上などの高い位置に設置されることが多い八木式アンテナ(UHFアンテナ)は、台風といった強い雨風による影響を強く受けてしまいます。
強風が吹いた日や台風が過ぎ去った後にテレビの映りが悪くなり、屋根上を見上げてみるとアンテナが傾いているといったケースも少なくありません。
そうした場合はアンテナを支えている屋根馬などの劣化も考えられます。
今ではデザインアンテナといった耐風性に優れたアンテナもあるので、悪天候の際も安心してテレビ視聴するためにも買い替えを検討すると良いでしょう。
破損していないか
台風や落雷、大雪による屋根への積雪などで、アンテナ本体が破損してしまうこともあります。
破損がみられた場合はテレビが映らなくなるだけではなく、屋根からアンテナが落下する場合もあり大変危険です。
また、自分で直そうと屋根上に登った際に転落してしまうといった事故につながることがあります。
アンテナの破損が見られるときには、アンテナ専門業者に確認をお願いしましょう。
アンテナ本体の破損や周辺金具の劣化は、修理不可能なケースもあるのでアンテナ交換を視野に入れておきましょう。
壊れてしまったアンテナの撤去や処分だけでなく、アンテナ取り付け工事まで頼めるので専門業者に依頼するのが安心です。
また自然災害によるアンテナの故障は、火災保険を利用できるケースがあります。
関連リンク:【テレビの画面が乱れる!ブロックノイズはどう対応すればいいの?】




アンテナ・ブースターの修理や交換の費用相場
主にほとんどのアンテナ業者でアンテナやテレビブースターの修理・交換費用に、作業費、材料費、出張費などが含まれています。
費用の相場は、以下の表のとおりです。
工事内容 | 費用相場 |
八木式アンテナ(UHFアンテナ)設置 | 10,000円~30,000円(税抜) |
デザインアンテナ設置 | 20,000円~45,000円(税抜) |
BS/CSアンテナ設置 | 10,000円~30,000円(税抜) |
4K8Kアンテナ設置 | 20,000円~40,000円(税抜) |
地デジとBS/CSアンテナ設置 | 50,000円(税抜)~ |
地デジと4K8K対応BS/CSアンテナ設置 | 70,000円(税抜)~ |
アンテナ撤去・処分 | 5,000円~10,000円(税抜) |
アンテナの角度調整 | 50,000円~10,000円(税抜) |
ブースター設置・交換 | 5,000円~15,000円(税抜) |
分配工事 |
5,000円~20,000円(税抜) |
アンテナ・ブースターの修理や交換で失敗を防ぐ方法
見積をもらう
アンテナやブースターの修理や交換をアンテナ業者に依頼する際に必ず行ってほしいことがあります。
それは、”数社で見積もりを出してもらうこと”です。
最低でも2~3社にて見積もりを取ると良いでしょう。
いくつかの業者で見積もりを出してもらうことによって工事費用を抑えることができます。
また、見積もりを出してもらう際のスタッフの対応の仕方が業者の良し悪しを見極める判断材料にもなります。
「アンテナ修理はどの業者にいくらでやってもらえるのかわからない!」といった方も少なくないです。
インターネットにはアンテナ業者が存在しますが、なかには見積もりや工事内容を曖昧にし、工事後に多額の請求をしてくる業者も残念ながら存在します。
そのような業者を選ばないようにするためにも、数社で見積もりを依頼し安心・信頼できる業者選びをしましょう。
業者選びのポイント
修理や交換の工事を希望されている方は、テレビの不具合を一刻も早く解決したい方が多いでしょう。
そんな時は、年中無休で工事を行っている業者を探しましょう。
大手家電量販店でも工事ができることがありますが、アンテナ工事の依頼があってから下請け業者のスケジュール調整を行うため、問い合わせから申込、そして施工までにどうしても時間がかかってしまうのが特徴です。
一方、アンテナを専門に扱う業者は自社の予約スケジュールなど管理体制が整っており、問い合わせから実際の工事までスムーズに行うことが出来ます。
お住いの地域の電気屋さんはテレビや冷蔵庫など注文が入りやすい生活家電に比べて、依頼が入りにくいアンテナ関連の在庫を抱えておらず、依頼が入ってから部品を発注するようなお店があるので同様に時間がかかることが考えられます。
また、大手のアンテナ専門業者は保証制度が充実している点も魅力です。
3年~10年と無料保証年数に幅があるので、保証内容などを業者別に確認すると良いでしょう。
アンテナ・ブースターの修理・点検・交換ならみずほアンテナ
みずほアンテナはアンテナの新規設置だけでなく修理や交換などの工事も得意としております。
また、年中無休で工事を承っておりますので突然の視聴トラブルにもすぐに駆け付けることができ安心してご利用いただけます。
弊社でおこなった工事以外の修理・交換工事も可能ですのでご気軽にご相談ください。
実際に弊社で行った修理工事事例を紹介いたします。
ー福岡県宮若市S様邸ー
工事員Y「平屋に住むお客様からの修理のご依頼でした。
お問い合わせ3日前からエラーコードE202が表示され、すべてのチャンネルが映らなくなってしまったというお客様です。築3年と比較的新しいご自宅とお聞きしていたので、アンテナ本体には問題がないかなと思いました。
工事当日、屋根上のアンテナを見るとアンテナ本体や周りの金具には全く問題は見受けられませんでした。
しかし、ブースターを拝見させていただくと、電源が入っておらず正常に作動していないようでした。
再度電源を入れても作動しなかったため、ブースターの交換を行い電波が普及しました。
テレビやアンテナの買い替えも覚悟されていたようで、ブースターのみの交換となり安心されているようでした。
交換前➡交換後
ー福岡県大野城市H様邸ー
工事員K「アンテナでの視聴をお止めになったお客様からのご依頼です。
使わなくなったアンテナを屋根上に放置していたそうですが、劣化や強風の影響でアンテナが倒れてしまったそうです。
実際に屋根上には倒れたアンテナがありました。
使わなくなった古いアンテナを放っておくと落下などの危険性もありますし、アンテナの錆が屋根に移ってしまうこともあるので早めにご依頼頂けて良かったです。
撤去前➡撤去後
ー千葉県船橋市Y様邸ー
工事員T「時々エラーコードE202や0020と表示されてしまい、テレビが映らなくなってしまうとお悩みのお客様でした。
お客様ご自身でチャンネルスキャンを行ったり設定を見直したりしても改善されず、弊社にご依頼いただきました。
ご自宅のテレビ2台とも同時にそのような症状がみられるとのことでした。
15年ほど前に取り付けられたUHFアンテナが屋根上に立っておりましたが、アンテナ本体や取り付け金具に劣化がみられたので交換を提案させていただきました。
今回はUHFアンテナの交換に加え、新たに4K8K対応のBS/CSアンテナのお取り付けも行わせていただきました。
設置個所は破風板です。
以前の屋根上設置と比べてコンパクトな仕上がりとなり、大変満足していただけました。
交換前➡交換後




アンテナの寿命を知っておこう!
アンテナの寿命が来ているかどうかを見極めるポイントは、本体や周辺機器にどれくらい錆が進行しているかです。
現状では問題ないように思えても、錆びてしまっているということはそれだけ強度が弱くなっているのです。
もしもアンテナの寿命が尽きてしまっているか、あるいはアンテナに何か問題があって受信状態が悪くなっていると考えられる場合には、自分で修理をしようとせずに専門業者へ依頼するようにしましょう。
多くの業者ではアンテナの診断とメンテナンスを行っています。
信頼できる業者であれば、診断後に最適な提案をしてくれます。
やたら新品へ交換するように勧める業者ではなく、既存部品をできるだけ活かしながらアンテナを治してくれる良い業者を選びましょう。
ー関連記事ー