
BS放送を見ていると、突然映像が乱れたり「受信できません」と表示されたりすることがあります。
その原因のひとつとして多いのが、BSアンテナの向きのズレです。
BSアンテナは衛星からの電波を受信するため、正しい方向と角度に設置されていないと安定して視聴できません。
とはいえ、「自分で何とか調整できないだろうか」と考え、向きを調整しようとする方も少なくありません。
本記事では、BSアンテナの基本的な向きや地域ごとの角度の目安、自分で調整する手順、うまく受信できないときの原因まで分かりやすく解説します。
BSアンテナの向きはズバリ!南西方向に向ける

BSアンテナは、日本の放送衛星が位置する方向に正確に向けて設置する必要があります。
日本でBS放送を受信する場合、アンテナの基本的な向きは南西方向の上空です。
これは、放送に利用されている静止衛星が日本から見て南西側の空に位置しているためで、アンテナはこの方向へ向けて電波を受信します。
ただし、単に南西へ向ければよいわけではなく、左右の向きを示す「方位角」と、上下の傾きを示す「仰角」を適切な角度に合わせることが重要です。
これらの角度は地域によって少しずつ異なり、例えば北海道と九州では仰角の数値が変わります。
そのため、設置前には自宅の地域に合った角度の情報を確認し、アンテナの向きや調整の目安を把握しておくことが必要です。
また、BSアンテナを取り付ける場所にも注意が必要です。
アンテナと衛星の間に電波を遮る障害物がないことが安定受信の条件になります。
例えば次のような環境では、十分な電波レベルを確保できない場合があります。
✓大きな樹木があり電波が遮られる
✓ベランダの手すりや壁がアンテナの前に位置している
✓電線や屋根の構造物がアンテナの正面にある
このような障害物がある場合、アンテナを設置してもテレビの受信レベルが上がらず、BS放送が安定して見られない可能性があります。
そのため、取り付け前には南西方向の空が十分に開けている場所かどうかを確認し、必要に応じて設置位置を変更することが重要です。
BSアンテナは、正しい方向と角度に合わせて固定することで初めて安定した電波を受信できます。
まずは基本となる南西方向を目安に、設置場所と受信環境を確認することが大切です。
【地域別】BSアンテナの向き・角度一覧
BSアンテナは南西方向の空へ向けて設置しますが、実際に調整する際は地域ごとに異なる角度を確認することが重要です。
衛星の位置は一定でも、日本列島は南北に長いため、各地域から見たときの仰角や方位角が少しずつ変わります。
アンテナの角度は主に次の2つの数値で表されます。
✓仰角:アンテナを上下どの程度上向きにするかを示す角度
この2つの角度を目安に合わせることで、衛星から送られてくる電波を効率よく受信できます。
設置や調整の前に、自宅の地域に近い都市の数値を確認しておくと作業の目安になります。
なお、実際の取り付けでは周囲の建物や地形の影響により、表の角度から多少の微調整が必要になる場合もあります。
以下は主な地域ごとの目安です。
| 地域(都市) | 仰角(上下の角度) | 方位角(左右の角度) |
| 青森(青森県) | 33.3° | 222.3° |
| 仙台(宮城県) | 35.3° | 224.0° |
| 水戸(茨城県) | 37.0° | 224.8° |
| 東京(東京都) | 38.0° | 224.4° |
| 横浜(神奈川県) | 38.2° | 224.5° |
| 新潟(新潟県) | 36.6° | 222.1° |
| 名古屋(愛知県) | 40.2° | 221.4° |
| 大阪(大阪府) | 41.4° | 220.0° |
| 広島(広島県) | 43.4° | 216.2° |
| 高松(香川県) | 42.5° | 218.4° |
| 福岡(福岡県) | 45.2° | 213.9° |
| 鹿児島(鹿児島県) | 47.0° | 215.6° |
| 那覇(沖縄県) | 53.6° | 215.8° |
表からも分かるように、北の地域では仰角が低く、南へ行くほどアンテナを上向きにする角度が大きくなる傾向があります。
一方で、左右の向きである方位角はおおむね南西方向ですが、地域によって数度程度の違いがあります。
BSアンテナの設置では、このような角度情報を参考にしながら向きを合わせ、テレビの受信レベルを確認しつつ調整することが基本です。
まずは地域ごとの目安を把握し、アンテナが正しい方向へ向いているか確認することが、安定した衛星放送の視聴につながります。
BSアンテナの向きを正確に測るスマホの無料アプリ「BSコンパス」がおすすめ!

BSアンテナの向きを調整する際は、南西方向を目安にするだけでなく、地域に合わせた方位角や仰角の角度を正確に確認することが重要です。
しかし、方位計や専門機器がない場合、正しい方向を判断するのは簡単ではありません。
そこで役立つのが、スマートフォンで利用できる無料アプリです。
特におすすめなのが、日本のアンテナメーカーである日本アンテナ株式会社が提供している「BSコンパス」です。
このアプリを利用すると、現在地の情報をもとにBSアンテナを向けるべき方向や角度を確認でき、設置や調整の目安を分かりやすく把握できます。
BSコンパスの主な特徴は次の通りです。
・GPSを利用して現在地の情報を取得し、地域に合った仰角・方位角を自動表示
・スマートフォンのカメラを利用した表示機能で、衛星の方向を画面上で確認できる
・アンテナの前に建物などの障害物がないか視覚的にチェックできる
アプリの基本的な使用方法は以下の通りです。
✓スマートフォンにBSコンパスをダウンロードして起動する
✓位置情報の利用を許可し、現在地を取得する
✓画面に表示されるコンパスやガイドを参考に南西方向を確認する
✓表示された方位角と仰角を目安にアンテナの向きや角度を合わせる
✓テレビの受信レベルを確認しながら細かく調整する
このようにアプリを利用すれば、難しい計算や専門知識がなくても、アンテナを向ける方向を簡単に確認できます。
ベランダや屋外でアンテナの向きを調整する場合でも、スマートフォンを利用して衛星の位置を把握できるため、作業の目安として活用しやすい方法です。
BSコンパスは以下のリンクからダウンロードできます。
✓Android版:ダウンロードはこちら
BSアンテナの向きや角度を確認する際は、このようなアプリを利用することで、よりスムーズに調整作業を進めることができます。
BSアンテナの向きを自分で調整する方法

BSアンテナの向きがずれてしまった場合でも、設置場所の環境によっては自分で調整できるケースがあります。
基本的には、南西方向を目安にアンテナの向きと角度を少しずつ動かしながら、テレビの受信レベルを確認して最適な位置を探していく方法になります。
調整作業を行う前には、アンテナの取り付け部分を動かすためのスパナやレンチなどの工具、受信状況を確認するためのテレビ、必要に応じて方位を確認するスマートフォンアプリなどを用意しておくと作業が進めやすくなります。
以下では、BSアンテナの仰角と方位角を順番に調整し、受信レベルが最も高くなる位置でしっかり固定するまでの基本的な手順を解説します。
上下の角度を合わせる

BSアンテナの調整では、まず上下の角度である仰角を合わせる作業から行います。
仰角とは、アンテナがどれくらい上向きになっているかを示す角度で、地域によって目安となる数値が異なります。作業の前に、地域ごとの仰角の情報を確認しておくことが大切です。
実際の調整では、アンテナ背面の金具部分にある角度目盛りを利用します。
添付の写真のように、BSアンテナの背面にはディッシュを支える金具があり、その側面に角度の目安となる目盛りが刻まれています。
この部分を使って上下の角度を合わせていきます。
基本的な手順は次の通りです。
✓アンテナ本体をゆっくり上下に動かし、目盛りを確認しながら地域の仰角に近い角度に調整する
✓角度が決まったら、ボルトを軽く締めて仮固定する
この段階では完全に固定せず、後の調整で動かせる程度に締めておくことがポイントです。
上下の角度を大まかに合わせておくことで、次の左右方向の調整を行う際に電波を受信しやすくなります。
テレビの受信レベルを確認しながら、最終的な角度を微調整していきましょう。
左右の角度を合わせる
上下の角度(仰角)をおおよそ合わせたら、次にアンテナの左右の向きである方位角を調整します。
BS放送の電波は東経110度の静止衛星から送信されており、日本から見ると衛星は南西方向の上空に位置しています。
そのため、BSアンテナの正面が南西方向に向くように左右の角度を調整する必要があります。
ここではまだ大まかな向き合わせで問題ありません。
次の工程でテレビのアンテナレベルを確認しながら、より細かい調整を行います。
基本的な手順は以下の通りです。
✓スマートフォンのコンパス機能や専用アプリを利用し、南西方向の目安を確認する
✓アンテナ本体をゆっくり左右に動かし、南西方向に向けて角度を合わせる
✓向きが大まかに合ったら、アンテナが動かない程度に軽くボルトを締めて仮固定する
スマートフォンのアプリを利用すると、現在地から見た衛星の方向を画面上で確認できるため、アンテナの向きを合わせやすくなります。
また、アンテナの前方に建物や樹木などの障害があると電波が遮られる可能性があるため、設置場所の環境もあらかじめ確認しておくことが重要です。
アンテナレベルが最大のところでしっかりと固定する

上下の角度(仰角)と左右の向き(方位角)を大まかに合わせたら、最後に電波の受信レベルを確認しながら微調整を行い、最も状態のよい位置でアンテナを固定します。
BSアンテナはわずかな角度の違いでも受信状態が変わるため、電波レベルを見ながら慎重に調整することが重要です。
受信状況はテレビのアンテナ設定画面で確認できますが、作業場所がベランダなどの場合は、写真のようなアンテナレベルチェッカーを利用すると効率的です。
チェッカーの画面に「BS」と表示されている場合は、BS放送の電波を測定している状態を示しており、数値やゲージを見ながら最適な向きを探すことができます。
基本的な手順は以下の通りです。
✓アンテナを1cm未満のわずかな幅で左右に動かし、レベルが最も高くなる方向を探す
✓次に上下の角度も少しずつ調整し、さらに電波レベルが上がらないか確認する
✓最も数値が高く安定する位置を見つけたら、取り付け金具のボルトをしっかり締めて固定する
アンテナを動かした直後は数値がすぐに変わらないこともあるため、少し動かしてから数秒待ちながら確認すると調整しやすくなります。
また、ケーブルの接続状態や電源設定なども受信レベルに影響するため、作業前に問題がないか確認しておくとよいでしょう。
最終的にレベルが安定した位置で確実に固定すれば、BS放送を安定して視聴できる状態になります。
BSアンテナの向きを調整してもアンテナレベルが上がらない3つの原因

BSアンテナの向きを調整しても、テレビのアンテナレベルが思うように上がらない場合があります。
アンテナの角度や方向が正しく見えていても、電波の受信状態は設置環境や機器の設定、接続状況などさまざまな要因に影響されます。
そのため、単に向きを調整するだけでは改善しないケースも少なくありません。
特にBS放送は衛星から届く電波を受信する仕組みのため、天候や周囲の環境、テレビ側の設定などが受信レベルに大きく関係します。
原因を正しく確認せずに角度調整だけを繰り返しても、状況が改善しないこともあるため注意が必要です。
アンテナレベルが上がらない主な原因として、次のようなケースが考えられます。
それぞれの原因について、以下で詳しく解説します。
悪天候で電波状態が悪い
BSアンテナの向きを調整してもアンテナレベルが上がらない場合、悪天候によって電波状態が一時的に悪化している可能性があります。
BS放送は人工衛星から送られてくる電波を受信する仕組みのため、天候の影響を受けやすい特徴があります。
特に強い雨や雪、雷を伴う天候のときは、電波が途中で吸収されたり散乱したりすることで、テレビの受信レベルが低下することがあります。
このような現象は「降雨減衰」と呼ばれ、アンテナの設置や角度、向きに問題がなくても発生する場合があります。
たとえば、普段は問題なく視聴できている環境でも、大雨のときだけ映像が乱れたり受信レベルが下がったりすることがあります。
特に雨雲が厚い場合や雪が強く降っている場合は、電波が弱まりやすくなるため注意が必要です。
また、地域や設置場所によっても影響の受け方は異なります。
周囲に建物や樹木などの障害がある場所では、天候の変化によってさらに電波の状態が不安定になるケースもあります。
そのため、悪天候の最中に無理にアンテナの角度を調整しても、正しい受信レベルを確認できない可能性があります。
アンテナの調整を行う場合は、天候が落ち着いた状態でテレビの受信レベルを確認しながら作業することが重要です。
まずは天気の回復を待ち、安定した電波環境の中で改めてアンテナの向きや角度を確認するようにしましょう。
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テレビ側の衛星アンテナの電源設定がONになっていない
BSアンテナの向きを調整してもアンテナレベルが上がらない場合、テレビ側の衛星アンテナ用電源の設定が原因となっていることがあります。
BSアンテナは、地デジアンテナとは異なり、テレビやレコーダーからケーブルを通じて電源を供給する仕組みになっています。
そのため、テレビの設定でアンテナ用電源が「OFF」になっていると、アンテナが正常に動作せず、電波を受信できない状態になる場合があります。
BSアンテナの向きや角度を調整してもレベルが上がらない場合は、まずテレビの設定メニューを開き、衛星アンテナの電源設定を確認することが重要です。
多くのテレビでは「ON」または「オート」といった設定項目が用意されており、これらの設定にすることでアンテナへ電源が供給されます。
特にオート設定では、BS放送を視聴する際にのみ電源が供給される仕組みのため、無駄な電力消費を抑えながら利用できます。
なお、集合住宅などで共同アンテナ設備を利用している場合は、建物側で電源が確保されているケースもあります。
その場合、テレビの電源設定がOFFのままでも問題なく視聴できることがあります。
BSアンテナの向きを調整する前や調整後にレベルが上がらない場合は、アンテナの方向や方位角だけでなく、テレビ側の電源設定やケーブル接続の状態もあわせて確認することが大切です。
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アンテナケーブルが正しく接続されていない
BSアンテナの向きを調整してもアンテナレベルが上がらない場合、アンテナケーブルが正しく接続されていない可能性も考えられます。
BS放送はアンテナで受信した電波をケーブルを通してテレビへ送る仕組みのため、接続状態に問題があると十分な信号が伝わらず、受信レベルが上がらないことがあります。
例えば、アンテナからテレビまでのケーブルがしっかり固定されていない場合や、接続端子が緩んでいる場合、電波が正常に伝わらずテレビ側で受信できないことがあります。
また、テレビ背面には「地デジ」「BS・CS」など複数の端子があり、接続する場所を誤るとBS放送用の電波が入力されません。
BSアンテナの場合は、テレビのBS・CS入力端子へケーブルを接続する必要があります。
確認の際は、以下の点をチェックするとよいでしょう。
✓接続部分が緩んでいないかを確認し、必要に応じて締め直す
✓分配器や延長ケーブルを利用している場合は、接続順や対応機器を確認する
これらの接続に問題があると、アンテナの向きや角度をいくら調整してもレベルは改善しません。
まずはアンテナからテレビまでのケーブル接続を一度確認し、正常に電波が伝わる状態になっているかを確認することが重要です。
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BSアンテナの向きを調整するならプロに任せよう!

BSアンテナの向きは自分で調整することも可能ですが、確実に安定した受信環境を整えるためには、専門業者へ依頼する方法がおすすめです。
BS放送は南西方向の上空にある衛星から電波を受信するため、方位角や仰角などの角度を正確に合わせる必要があります。
わずかなずれでもアンテナレベルが低下し、テレビの映像が乱れる原因になることがあります。
特にベランダや屋外の設置場所では、周囲の建物や障害物の影響も考慮しながら調整する必要があります。
そのため、経験や専用機器を持つプロに依頼することで、より確実に最適な向きへ調整できます。
以下に、専門業者へ依頼するメリットと、自分で調整する場合の注意点をまとめます。
・専用の測定機器を利用して電波レベルを確認しながら調整できる
・地域や設置場所に合わせた適切な方向や角度を判断できる
・アンテナの固定や取り付け状態まで確認できる
・ケーブルや接続、テレビ側の設定などもまとめて点検できる
・電波レベルを正確に確認しにくく、最適な位置を見つけにくい
・方位角や仰角の微調整が難しく、受信状態が安定しないことがある
・高所やベランダでの作業になる場合、転落などの危険がある
・原因がアンテナ以外(ケーブルや電源設定など)だった場合、判断が難しい
このように、BSアンテナの向き調整は一見簡単に見えても、実際には電波状況や設置環境を総合的に確認しながら作業する必要があります。
安定してテレビを視聴するためにも、アンテナ調整や設置は専門知識を持つ業者の利用を検討するとよいでしょう。
まとめ

BSアンテナは、日本では南西方向に向けて設置するのが基本であり、地域ごとに異なる仰角や方位角を確認しながら調整することが重要です。
本記事では、地域別の角度の目安や、スマートフォンの無料アプリを使った方向の確認方法を紹介するとともに、上下・左右の角度を合わせてアンテナレベルが最大になる位置で固定するまでの具体的な手順を解説しました。
調整の際には、各地域の目安となる角度の情報や、関連サイト等で公開されている情報を参考にすることで、より正確な方向の確認に役立ちます。
また、調整しても受信レベルが上がらない場合に考えられる原因として、悪天候、テレビの電源設定、アンテナケーブルの接続不良などについても取り上げています。
BSアンテナの調整は自分で行うことも可能ですが、正確な角度合わせや安定した受信環境の確保には専門的な知識や測定機器が役立つ場面も少なくありません。
調整に不安がある場合やうまく映らない場合は、無理をせずお気軽にみずほアンテナへご相談ください。
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