BSアンテナは、障害物のある場所では番組を受信できないことがあります。
これからBSアンテナを設置しようとしている人は、自宅近くにある障害物の影響が気になるでしょう。
「うちの周辺に障害物はない」と思っている人でも、意外なものが障害物になることもあります。
BS対応のアンテナやテレビを買った後で番組の受信ができないことがわかったら残念に思う人が多いでしょう。
アンテナの障害物に関する知識を持ち、そのような失敗を未然に防ぎたいものです。
ここでは、BSアンテナの障害物の種類や対処法、障害物に気づかずにアンテナを設置してしまった場合の対応についてご紹介いたします。
【BSアンテナの障害物の種類は?】
BSアンテナの障害物となるものは、主に建物や樹木です。
場合によっては洗濯物も障害物となります。ビルや家屋などの建物は多くの人が障害物と気づくものです。
しかし、樹木については気づかないことや「枝の隙間がたくさんあるからいいだろう」と判断してしまうこともあります。
また、「洗濯物は干されているとき」「そうでないとき」があるものです。
このため、設置時点では問題がなかったのにその後に問題が起きるケースもあります。
その他、立地によっては幹線道路・歩道橋なども障害物になります。
【BSアンテナの近くに障害物がある場合の対応方法】
BSアンテナを設置する場所の近くに障害物がある場合、基本の対応方法はアンテナの高さを上げることです。
アンテナの位置が障害物よりも高ければ受信はできます。
そこから少しずつ下げていっても受信は可能です。下げ続けると、あるボーダーラインから受信ができなくなります。
このボーダーラインが「障害物の高さの1.5倍の距離」です。
たとえば、障害物の高さが10mだったら、距離が15m開いていれば地上0mの高さでも受信できます。
距離が15mより近い場合は、近づくほどアンテナの高さが必要になります。
障害物との距離を変えることはできないので、アンテナの設置工事では「高さ」によって対応するわけです。
たとえば、障害物の高さが10mで、アンテナとの距離が1.5mだとします。通常では受信できない至近距離です。
しかし、この場合もアンテナの高さを9mにすれば理論的には受信可能となります。
なぜなら、建物との高さの差が1mで距離が1.5mのため「障害物の高さの1.5倍の距離」という条件を満たしているからです。
通常の民家では高さ9mのアンテナを設置することはほぼ不可能といえます。
これは、あくまで計算をわかりやすくするための例です。
しかし、アンテナが高ければ障害物が近くにあっても受信できるということは理解できるでしょう。
ある程度広い庭がある家庭ならアンテナ用のタワーを設置する方法もあります。
映像受信用のタワーは建築基準法の範囲内で10~50m程度と相当な高さまで対応でき、多くの障害はクリアできます。
建築基準法をクリアでき広い庭があって資金もあることが条件となりますが、アンテナの障害物対策にはこのような大がかりな方法もあるわけです。
【障害物に気づかずにアンテナを設置してしまった場合の対処法】
障害物に気づかずにBSアンテナを設置してしまったら、まずは専門の業者に検査してもらうことです。
業者なら設置する時点で必ず障害物のチェックをします。
障害物に気づかなかったケースの多くは自分で設置したものです。
この場合は障害物以外にも何か問題が起きている可能性があります。
他の問題の有無をチェックしてもらうためにも、まずは業者に相談しましょう。
障害物を移動させることは大抵できないので、対処法の多くはアンテナの高さを上げることになります。
アンテナの支柱はマストといいますが、長さは短いもので1.3m、長いもので3.2mなど幅があります。
商業施設用ではもっと長いものもありますが、家庭用のマストは、このレベルの長さが限界です。
業者の技術によってはマストの継ぎ足しなどで、3mを超える高さにも対応できることがあります。
これが可能かどうかは業者の技術だけではなく、設置場所の風雨の強さなど自然条件によっても変わります。
障害物の内容によっては移動させることも可能です。
たとえば、エアコンの室外機や屋外給湯器などが障害物になっている場合、これらの設置場所を変えれば受信できることもあります。
わずか数十cmの障害物がなくなるだけでも「それが原因で受信できなかった」という場合には効果があるのです。
ただ、このようなケースは少数派だと思ってください。
【BSアンテナの障害物と対処法のまとめ】
BSアンテナの障害物対策は専門家に依頼するのがベストです。
一般人では、「何が原因で受信できないか」を明確に判断できません。
場合によっては障害物以外の原因のこともあるのです。
アンテナ設置前の受信環境を確認する段階から業者に依頼した方がいいでしょう。
障害物が特定された後の対策もマストを継ぎ足して高さを上げるなど、一般人ではできない危険な作業が多くなります。
自力で不安定な設置をしたら後々アンテナが倒壊し、自宅や近隣家屋に被害をもたらす可能性もあるのです。
そのときの修繕費や隣家に対する弁償などを考えると、アンテナの障害物対策はやはりプロに任せた方がいいでしょう。
自分の環境でBSアンテナを設置できるか悩んでいる人は、信頼できる業者に一度相談してみてください。