テレビの受信障害には様々な原因がありますが、その原因の中に700MHzによる受信障害があります。
こちらの記事では、700MHz受信障害とは何か?700MHz受信障害が起きている地域について詳しくご紹介していきます。
万が一、お住まいの地域が700MHz受信障害が対象であった場合の対処法や、その他テレビの受信障害の原因についても解説しています。
テレビの受信障害でお困りの方には必見な記事となっとおりますので、是非参考になさってください。
700㎒受信障害とは何か?
近年携帯電話の急激な普及により、電波の周波数帯が不足する問題が生じました。
携帯電話用の周波数帯を新たに確保するため、広い周波数帯を使っていたアナログ放送から大幅なデータ削減を実現できる地デジ放送へ切り替えることで周波数帯の不足を解消しようとしました。
ところが、2010年代以降スマートフォンが大きく普及したことから、携帯端末キャリアの事業者であるソフトバンク株式会社、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社などが、新たに700MHz帯の周波数を使った携帯電話システムの運用をスタートしました。
これまで地上テレビジョン放送が使用していた周波数に、700MHz帯の携帯電話、スマートフォンの電波が発射されることになります。
そのため、700MHz帯携帯電話基地局周辺の建物でブースターなどを使用している場合、受信ブースターの動作不良が起こるなどし、地デジ放送の視聴に不具合が生じました。
それが「700MHz電波障害」と呼ばれるものです。
尚、ブースターとは、テレビアンテナを設置する場合にはほぼ必須となる機器のことで、アンテナが受信するテレビ電波を増幅する装置のことです。
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「700MHz電波障害」の具体的な症状としては、画面がフリーズしてしまう、画面上にブロックノイズが現れる、画面がブラックアウトを引き起こすなどの不具合が挙げられます。
先述でも申し上げましたが、700MHz電波障害は、700MHz帯携帯電話基地局周辺のエリアで発生する可能性があり、現在、可能性があるエリアには「一般社団法人700MHz利用推進協会」による対策が進められています。
現在の「地デジ」で使われている電波について
こちらでは、現在の「地デジ」で使われている電波についてご紹介します。
まずは、電波について詳しくご説明いたします。
私達の生活ではスマートフォンやテレビなど様々な電子機器がたくさん利用されていますが、これらが無線で情報伝達されるために、「電波」が目に見えない所で活躍してくれています。
「電波」は、空間を伝わる電気エネルギーの波(電磁波)の一種です。
電波は1秒間に約30万km駆け巡ることができ、1秒で地球を7回半回るスピードで動いていますが、日本の電波法では電磁波の周波数が3THz以下のものを「電波」と呼んでいます。
周波数は電磁界の強さを表すもので、単位はHz(ヘルツ)を用います。
続いて、地デジ誕生の理由について解説していきます。
日本における地デジのテレビ放送は、2003年12月1日正午からそれまでのアナログテレビ放送と並行する形で導入され、2011年7月24日正午に完全に地デジへと切り替わりました。
アナログテレビ放送の時代は、テレビ放送用の電波として以下のような周波数帯を使用していました。
・NHK、広域民放:VHF帯(90MHzから108MHzのローバンドと170MHzから222MHzのハイバンド)
・各都道府県ごとの独立放送局:UHF帯(470MHzから770MH)
しかし、前述でもご紹介した通り、アナログ放送開始から約50年もの間に携帯電話やスマートフォンなど通信手段が次々と増えたことから、通信や放送に使えるUHF帯と呼ばれる電波の周波数帯の不足が生じました。
不足を解消すべく、大幅なデータ削減を実現できる地デジ放送へと転換することでテレビの放送チャンネルを整理し、テレビ用の電波帯の一部を通信用に割り振りました。
そのため、通信手段が増えたことによる周波数帯の不足が地デジ誕生の理由とも言えるでしょう。
現在、地上デジタル放送は、UHF帯(470~710MHz)に集中し放送されています。
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700㎒受信障害が起きている地域と対処法
700㎒受信障害はどの地域でも起きるわけではありません。
障害が起こる可能性のある地域には、ある共通点があります。
こちらでは、700MHz受信障害が起きている地域と対処法について詳しくご紹介していきます。
対象地域
700MHz受信障害が起きている地域は、都心部や携帯電話の基地局が近くにあるエリアで、テレビアンテナとブースターを設置して地デジをご視聴のお宅が対象です。
受信障害が起きたお宅や、そうなる可能性が高いお宅には、「一般社団法人700MHz利用推進協会」対策員が訪問・確認の上、対策が進められています。
700MHz利用推進協会は、NTTドコモ・KDDI・沖縄セルラー電話・ソフトバンクの4社からなる一般社団法人です。
700MHz帯利用に伴うテレビ受信障害対策を円滑に推進していくとともに、様々な課題を解決するために設立されました。
対策員の訪問時、ご不在の場合には下記のチラシ1が配布されますのでご安心下さい。
また、一部の公共機関等のパンフレット置場には、下記のリーフレット、ポスターなども設置されています。
対象の地域にお住まいの場合には、「一般社団法人700MHz利用推進協会」コールセンターにお問い合わせください。
対処法
こちらでは、700MHz受信障害が起きている地域の対処法についてご紹介します。
700MHz電波障害への対策は、原因となる携帯電話の700MHz帯電波に反応してしまう旧式ブースターから、対策が施されたブースターへの交換工事、またはフィルターの取り付け工事となります。
対策を講じる、フィルターやブースターについて簡単にご紹介します。
フィルターは地デジを視聴するのに不要な電波をカットするもので、ブースターは、アンテナで受信した電波のレベルが弱い場合に増幅するものです。
どうしてテレビの受信に影響が出る可能性があるかというと、一部の機種のブースターをご使用の場合、上記図のように、地デジ以外の電波帯も増幅してしまうことが受信障害の原因となります。
従って、地デジの電波のみを増幅するブースターに変更させて頂くことで受信障害が解消します。
尚、新築のお宅に新規でアンテナを設置する場合、対象の地域ではあらかじめ対策がなされたブースターを設置することで700MHz電波障害を防ぐことができます。
現在の地デジ放送チャンネルに対応するブースター機種には、「DHマーク710」というシンボルマークが付与されています。
新規でアンテナ設置をお考えの際には、専門業者に確認しておくと安心です。
700㎒利用推進協会が行う対策作業について
こちらでは、700㎒利用推進協会が行う対策作業についてご紹介します。
対象のエリアに関しては、先述でもお伝えした通り、訪問・チラシ配布・ポスターなどで呼びかけています。
実際に700MHz受信障害が起きているお宅に関しては、ご依頼後、700㎒利用推進協会の対策員が調査のためお伺いします。
作業に伴う設備や受信状況の確認をおこなうため、対策員は依頼者様のご了解をいただいたうえで、室内で作業を行います。
それでは、対策当日の作業の流れ、注意事項について詳しくご紹介していきます。
対策作業の流れ
こちらでは、対策作業の流れについてご紹介します。
①テレビ受信の設備確認
まずご自宅での地デジテレビ放送の視聴方法を確認します。
光テレビやケーブルテレビよりご視聴されているお宅は、対策の対象外となります。
テレビアンテナでの視聴を確認の上で、700MHz帯電波に反応してしまう旧式ブースターであるかどうかなど受信設備の設置状況を確認します。
作業場所は、お宅のアンテナやブースターの設置場所により室内、屋上や屋根上など異なります。
②テレビ受信状況の確認
主に以下項目を確認します。
・対策作業前のテレビ受信状態の確認(正常性確認)
・ブースター、テレビ端子の受信レベルを測定
これらの作業は、ご依頼者様の立ち合いのもと、室内で行います。
③対策作業
ブースターへのフィルター取付け、または700MHz帯電波に反応してしまう旧式ブースターから対策を施した新式のブースターへの交換工事を行います。
この対策作業については後日の日程に調整も可能ですし、テレビ受信状況の確認後速やかに作業へ移ることもできます。
尚、主に屋上や屋根上での作業となります。
④作業後確認
対策作業後、対策員はテレビ映像やレベルに変化が生じていないことを確認、またはすでに受信障害が生じているお宅では正常に回復したか確認するため、流れ②と同様、テレビ受信状況の再確認を行います。
再確認で問題がなければ、対策員による作業は終了となります。
尚、①から④までの作業の所要時間は30分~90分程度で、お住まいの方のお立合いが必要となります。
注意点
先述で申し上げましたが「700MHz利用推進協会」は、700MHz帯を利用する携帯キャリア会社が共同設立した非営利団体です。
700MHz電波障害は、携帯キャリア会社が携帯電話の基地局を開設したことによって、周辺の住宅に不具合が発生しているため、回復工事や対策はキャリア会社が負担し行っています。
しかし、既設の非対応ブースター交換工事のみ無料で実施しているので、アンテナの劣化などの修理交換は対象外となります。
また、ケーブルテレビや光ケーブルで地デジ放送ご視聴されている場合や、アンテナで視聴していてもブースターを設置されていないケースは影響がありませんので対策の対象外となります。
尚、最近では「700MHz電波障害」対策員を偽って名乗り、不必要な機材の販売や工事などを行い不当な金額を請求する詐欺が横行しています。
対象エリアでは、「700MHz利用推進協会」の対策員がお宅を訪問しご説明に伺うこともありますが、費用の発生する物販の販売、工事のご提案などは決して致しません。
また、お伺いする際には、「テレビ受信障害対策員証」を所持し、対策員である身分証明をきちんと行っております。
少しでも怪しいと感じた際には、その場での要請には応じず、「700MHz利用推進協会」のコールセンター(0120-700-012)、もしくはお近くの警察署にご相談下さい。
その他テレビの受信障害の原因
テレビの受信障害はが起きる原因は、700MHz受信障害以外にも沢山あります。
こちらでは、以下のような障害原因についてもご紹介していきます。
・高層ビルや樹木によって受信障害が発生
・強力な電波によって障害が発生
・悪天候による受信障害が発生
・弱電界地域に住んでいる
テレビの受信障害の原因は様々ですが、不具合の症状は似ているためどのように対応すればよいか困ってしまう方も多いです。
こちらでは、それぞれの原因の詳細はもちろん、原因特定の調べ方についても合わせて解説していきますので、是非参考になさって下さい。
高層ビルや樹木によって受信障害が発生
電波障害の原因は様々ありますが、近隣に電波を遮る障害物がある地域での障害が最も多いとされています。
近隣に高層ビルや大きな建築物などがある場合、テレビの電波が弱くなってしまう「遮蔽障害」や、建物に反射した電波による「反射障害」も起こりやすいと言われています。
特に、電波塔がある方向に三階建て以上の建物があるとその周辺は電波障害が起こりやすくなり、送信アンテナから遠くなるほどこの障害は強まります。
その他にも、隣家の生い茂った樹木や、山々なども電波を遮る障害物となります。
アンテナ設置時に問題はなくとも、周辺環境は変わるものです。
まずは、「一般社団法人A-PAB」のサイトなどで電波塔の方向を確認し、その方向に季節により生い茂った樹木がないか、ビルの建設がないかなどチェックしてみると良いでしょう。
強力な電波によって障害が発生
近隣から強力な電波が発信されている場合、電波障害が発生しやすくなります。
強力な電波として挙げられるのが、アマチュア無線です。
近隣にアマチュア無線の発信源があると、テレビ電波がその影響を受け電波障害に引き起こします。
また、アマチュア無線の他にも、電波とは無関係と思える電気製品からも電波は放出され悪影響を与えることもあります。
電波障害を引き起こす原因になる電気製品は以下の通りです。
・壊れた水銀灯、LEDなどの街灯
・問題のあるブースターからの発振
・家にある古い家電や発電機などの電化製品
・ネオン看板
まずは、ご家庭にある古い電化製品や発電機など不要なものは稼働を停止して処分しましょう。
アマチュア無線などの影響は、素人では判断が難しいでしょう。
近隣でも同じ状況が生じている可能性もありますので、アンテナ専門業者に相談してみることをおすすめします。
悪天候による受信障害が発生
台風やゲリラ豪雨などの悪天候の場合、電波は届きにくくなり電波障害を引き起こすこともあります。
このような場合、テレビの電波を雨が吸収してしまうことが影響しており、雨の勢いが強いほど電波は弱まり届きにくくなります。
悪天候が原因の場合には天候の回復を待つしか方法はありません。
まずは天気の回復を待ち様子を見ましょう。
尚、台風やゲリラ豪雨、雷の影響により、アンテナが故障した、アンテナの向きが変わった、倒れてしまったなど本体に問題が生じ不具合を起こしている場合もあります。
天候が回復しても電波障害が続く場合には、アンテナ専門業者に相談しましょう。
アンテナは高所に設置されていることも多く、ご自分での無理な確認は危険が伴いますので、プロに確認を依頼することをお勧めします。
関連記事☞【落雷や台風でテレビが故障したら?映らない時の原因と対処法・事前にできる対策を解説】
弱電界地域に住んでいる
お住まいの地域が弱電界地域である場合、電波障害が発生しやすくなります。
弱電界地域の特徴は、電波塔から遠く、山やビルなどの障害物があることです。
都会から離れた場所や山間部が該当することが多く、スポット的に弱電界地域が発生することもあります。
お住まいの地域が弱電界地域であるかどうかは、専用サイトなどでも把握できますが、確実に見分けるためには、アンテナ専門業者に調査を依頼しましょう。
専用機器を使用し電波測定を行い、周辺環境なども考慮し判断してくれるでしょう。
尚、この場合の電波障害の解消のためには、より電波強度の高いアンテナへの変更や、設置場所の変更、最悪のケースはケーブルテレビや光回線など視聴方法の変更などが必要になることもあります。
関連記事☞【電界強度とは?地デジの強・弱電界地域や最適なアンテナ選びを徹底解説】
テレビの受信障害でお困りならみずほアンテナにおまかせ!
先述で、700MHz受信障害以外の受信障害の原因についてご紹介しました。
700MHz受信障害に該当するエリアでは、対策員の訪問やチラシなどで気づくことが出来ますが、その他のケースでは不具合の原因が分からず困ってしまう方も多いです。
不具合によっては、アンテナの修理や交換が必要になることも多いため、まずはアンテナ専門業者にご相談下さい。
みずほアンテナでは365日即日対応を受け付けておりますので、すぐに駆け付けることも可能です。
まずはお電話口で症状の確認をさせて頂きます。
症状によってはお客様の手で治せることもあり、その場合には時間もコストもかかりません。
しかしアンテナ周辺に不具合が生じている場合は、高所作業になりますのでご自身で修理をすることはお勧めいたしません。
尚、みずほアンテナでは、自社の熟練のスタッフが工事を行っており安くて丁寧な工事を実現しています。
【みずほアンテナの工事料金一覧】
工事内容 | 料金 |
既存アンテナ修理 | 税込11,000円~ |
既設アンテナ撤去工事 | 税込5,500円~ |
ブースター設置 | 税込22,000円~ |
みずほアンテナの料金について詳しくはこちら
みずほアンテナは、業界最大手として年間30,000件以上のアンテナの設置や修理を行っております。
大切なマイホームの工事は業界トップシェアを誇る、みずほアンテナにお任せください。
まとめ
こちらの記事では、「700MHz電波障害」とは何か、実施に対策を行う「700MHz利用推進協会」がどのような団体であるかについて詳しく解説しました。
団体について詳しく知ることで、安心してお任せすることができます。
対策が無償で行われていることから怪しみ、依頼することを躊躇される方もいらっしゃいます。
一方、「700MHz利用推進協会」を装った詐欺もありますので、どんな団体であるか、無償で対策される目的や、対象エリアや項目についてきちんと把握していることで詐欺の危険も回避することができます。
尚、電波障害の原因がよく分からない場合などは、お気軽にアンテナ専門業者にお問い合わせください。
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