数年前ドン・キホーテから発売された「NHKが映らないテレビ」は衝撃的でした。
NHKが映らないことでNHK受信料を支払う必要がありません。
それまで“テレビを設置する=NHK受信料を支払う“決まりでしたが、「NHKが映らないテレビ」の出現により新たな選択肢が生まれました。
しかし実際には一般的なテレビとは少し違うものです。
そこで今回は「NHKが映らないテレビ」をご紹介します。
メリット・デメリットや一般的なテレビとの違いなどについてお話します。
チューナーレステレビってなに?
(チューナー画像引用:ピクセラ)
上記の項目で「NHKが映らないテレビ」には地上波放送や衛星放送を視聴するために必要な “チューナー”が装置されていないことを説明しました。
ここではさらにチューナーがないテレビ(チューナーレステレビ)について掘り下げます。
チューナーレステレビはインターネットの動画視聴に特化しています。
つまり一般的に“テレビ”番組と言われている地デジやBS/CS放送を見る機能が取っ払われています。
その代わりに「Android TV」や「Amazon Fire TV」など別の機能を搭載して「YouTube」「Netflix」などのネット動画を視聴できる仕様になっています。
チューナーレステレビの最大のメリットはNHK受信料を支払う必要がないことです。
これまでいわゆる“テレビ”を見ない家庭でもテレビを設置した段階でNHK受信料を支払わなければなりませんでした。
しかし“チューナーレステレビ”では地デジや衛星放送を見ることができないのでNHK受信料を支払う義務がありません。
チューナーレステレビのデメリットには“テレビ”をリアルタイムで見られないことが挙げられます。
TVerなどのサービスを利用することで一部の地デジ番組を見ることはできますが、リアルタイムでの配信はまだ少ないのが現状です。
「NHKが映らないテレビ」とは?
(画像引用:ドン・キホーテ)
2021年12月にディスカウントストアのドン・キホーテから発売された「NHKが映らないテレビ」は大変話題になりました。
「NHKが映らないテレビ」の正確な商品名は「チューナーレス スマートテレビ」といいます。
最大の特長はNHKが映らずNHK受信料が不要であることから「NHKが映らないテレビ」として広まりました。
「NHKが映らないテレビ」はNHKに限らず「地上波放送や衛星放送が映らないテレビ」です。
地上波放送や衛星放送を視聴するためにはテレビに“チューナー”という装置が必要ですが、「NHKが映らないテレビ」には取り付けられていません。
チューナーの代わりに「Android TV」を搭載しており、YouTubeやNetflixなどインターネットを閲覧したり視聴したりすることに特化しています。
このような新しいテレビを求めていた方が多く、ドン・キホーテ発売商品で見ると2021年12月の初回生産分は6000台がほぼ完売しました。
その後も好評が続き、累計で15,000台以上を売り上げています。
チューナーレステレビおすすめ4選
2021年10月にドン・キホーテで「NHKが映らないテレビ」が発売されたことでチューナーレステレビが知れ渡りました。
ドン・キホーテの大ヒットを受けて、現在では様々なメーカーからチューナーレステレビが販売されています。
発売元 ドン・キホーテ
(画像引用:ドン・キホーテ)
商品名 「チューナーレス スマートTV」
特徴 AndroidTV 機能搭載
サイズ展開 4K対応43V型、4K対応50V型、フルHD24V型フル、HD32V型
参考価格 税込21,780~43,780円
参考URL ドン・キホーテ
発売元 ゲオホールディングス
(画像引用:GEO)
商品名 「チューナーレス スマートテレビ」
特徴 4KHDR対応の高画質、Android搭載
サイズ展開 43V型、50V型
参考価格 税込32,780~38,280円
参考URL GEO
発売元 エディオン
(画像引用:エディオン)
商品名 「チューナーレスTV」
特徴 GoogleTV搭載(GoogleTV非搭載のチューナーレステレビもあり)
サイズ展開 43V型、50V型
参考価格 税込49,800円、税込59,800円
参考URL エディオン
発売元 ドウシシャ
(画像引用:ドウシンシャ)
商品名 「ORIONチューナーレススマートテレビ」
特徴 Android tv搭載
サイズ展開 24V、32V型、40V型、50V型、65V型、75V型
参考価格 税込27,800~14,800円
参考URL ドウシンシャ
チューナーレステレビのメリット
(画像引用:NHK)
上記の画像の通り、NHK受信料は地デジ放送のみでも月に1,000円以上かかります。
衛星放送も視聴する場合にはさらに月2,000円以上かかります。
これはNHKを視聴するかしないかに関わらず、テレビや衛星アンテナを設置したら支払う必要があるものです。
NHKを全く視聴しない方にとっては決して小さな金額ではありません。
今お使いの“テレビ”が地デジ放送を視聴できる仕様でも、ネット配信動画を見たりゲームに使ったりするのみで地デジ放送を全く見ない方もいらっしゃると思います。
そのような方には「チューナーレステレビ」が最適かも知れません。
チューナーレステレビはそもそも地デジ放送を見られない仕様なのでNHK受信料の支払いは不要です。
ネット配信動画やゲームの利用は“テレビ”と同様に利用できます。
もともと地デジ放送を視聴しない方にとっては地デジ放送が見られなくても支障は小さいかほとんどないでしょう。
現在ではTVerなどで一部の地デジ放送をネット配信として見ることもでき、今後サービスが拡大されることが予想されます。
テレビのリアルタイム視聴にこだわらない方にとってチューナーレステレビは画期的といえそうです。
NHK受信料はなぜ払わないといけないのか
なぜ民放は無料で視聴できるのにNHKだけ受信料を支払う必要があるのでしょうか。
民放とNHKでは財源が異なります。
民放の主な財源はスポンサーからの広告料です。
そのため番組の途中や番組と番組の合間にはCMが流れます。
一方NHKの主な財源は受信料です。
NHKには視聴者の受信料を財源とすることで、特定の企業や団体に忖度することなく独立した公共放送を確立する目的があります。
NHKでは基本的に他者からの干渉を受けることはありません。
NHKの自主性が保障されており、自主性を保つために受信料で財源を賄っています。
なおテレビを設置した段階でNHK受信料を支払う義務については放送法で定められています。
放送法第64条に「NHKの放送を受信することができるテレビをお持ちの場合、NHKと受信契約をしなければならない」との規定があります。
しかしこれは「NHKの放送を受信できるテレビが設置されていれば放送受信契約を結び放送受信料を支払う」規定であり、チューナーレステレビではNHKの放送を受信できないため支払いの義務ながいことになります。
いずれ“ネット受信料”も徴収される?
チューナーレステレビでNHK番組を視聴する場合、“ネット受信料”が課される可能性はあるのでしょうか。
NHKではネット動画を配信しており、一部チューナーレステレビでも視聴できます。
NHKは“NHKの放送を受信できるテレビが設置されていれば放送受信契約を結び放送受信料を支払う”と公告しています。
現段階でチューナーレステレビは受信料支払い義務のある機器に該当せず、ネット動画に対しては受信料が課されていません。
そして今後についても早急に規定が変更される可能性は低いようです。
NHKでは“NHK プラス”という配信動画サービスを提供しています。
“NHK プラス”ではNHKの地デジ放送も一部視聴できます。
サービス開始当初はNHKと放送受信契約している人つまり受信料を支払っている人に限られたサービスでした。
現在では一部のサービスに限り無料で公開されており、NHK受信料を支払っていなくてもNHKの番組を見ることができます。
そのためにいずれ“ネット受信料”が徴収されるのではないかと心配されました。
しかし2022年6月NHKの会見においてインターネットだけを見ている人から受信料をとることは考えていない旨、今後についても視野に入っていない旨を明言しています。
よってチューナーレステレビでNHK番組を視聴する場合、“ネット受信料”の心配は当面不要でしょう。
NHKだけが映らないテレビはない?
チューナーを掲載していないテレビではなくNHK”のみ”映らないテレビを作ることはできるのでしょうか。
結論としては難しく現在までに実現に至っていません。
以前に“イラネッチケー”というNHKだけを受信しない帯域除去フィルター機器が発売されたことがありました。
“イラネッチケー”は直径21mmほどの筒状をした装置で、テレビのアンテナ入力端子などに取り付けるとNHKのテレビ周波数の放送波を遮断する仕組みになっています。
しかし“イラネッチケー”が着脱可能であることなどの理由から、法令上は“NHKの放送を受信できるテレビ”に該当するとされました。
一方で最初からNHKが映らないテレビを製造販売する試みが行われたこともありました。
しかし民放のみを映す場合でもチューナーが必要であり、チューナーはNHKを含む全てのチャンネルを受信できる規格でなければなりません。
それは放送事業者などで構成される「電波産業会(ARIB)」が策定した「ARIB(アライブ)規格」で規定されています。
つまりNHKが映らないテレビは実質製造が不可能ということです。
チューナー搭載のテレビがおすすめ
地上波放送や衛星放送をネット動画としてチューナーレステレビで視聴することができます。
しかしリアルタイムでの視聴はほんの一部に限られています。
リアルタイムで視聴するためにはチューナーを搭載した一般的な“テレビ”が必要です。
NHK プラスでは「総合テレビ」と「Eテレ」のリアルタイム配信を行っています。
またTVerでもリアルタイム配信があります。
注意点として、NHK プラスはスマホやタブレットなどの端末でもチューナーレスでも視聴することができますが、TVerのリアルタイム配信はスマホやタブレットなどの端末に限定しておりチューナーレステレビで視聴することはできません。
リアルタイムでの視聴にこだわる場合にはチューナーが搭載されたテレビを購入しましょう。
テレビを視聴するのに必要なものは?
テレビの視聴に必要なものについて、ここでは①テレビアンテナ、②アンテナケーブル、③壁面端子についてご説明します。
テレビアンテナ
テレビアンテナは100年程前に日本人が発明しました。
UHFアンテナが発明されて、その後にデザインアンテナやユニコーンアンテナなども誕生しました。
テレビを視聴するために、地上波放送は地上にある電波塔や中継基地と、衛星放送は人工衛星と電波を送受信します。
受信に必要な機器が戸別に設置する地デジアンテナやBS/CSアンテナです。
アンテナケーブル
アンテナが受信した電波をテレビまで送るためにはアンテナケーブルを使います。
ケーブルには様々な種類があり、アンテナからテレビまでの距離やケーブルを通す場所を考慮して適切な種類を選びましょう。
また壁面端子を確認して端子の形状にも注意しましょう。
S型(ストレート)、L字型、F型(ネジ式/ねじ込み式)などの種類があります。
壁面端子
アンテナケーブルの端子は一方をテレビに挿し込み、もう一方は壁面端子に挿します。
するとアンテナとテレビが繋がりアンテナが受信した電波をテレビへ送ることができます。
一般的に壁面端子がある辺りにテレビを設置します。
場合によっては壁面端子がない場所にテレビを設置するために、壁面端子を新たに作る方もいらっしゃいます。
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まとめ
以上が「NHKが映らないテレビ」についての説明になります。
最近は“若者のテレビ離れ”が進んでいますが、意外にも「NHKが映らないテレビ」の購買層は40代や50代が厚くなっています。
仕事や家事などでテレビの前に座る時間が少なく、限られた時間で必要最低限の情報を得るにはネットのほうが優位との考えられているようです。
今後TVerなどのテレビを配信するサービスが増えると予想されていることも相まっています。
テレビを置いているからNHK受信料を支払っているけど実際にはほとんどテレビを見ていない方にとって「NHKが映らないテレビ」は画期的といえそうです。
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