“スターリンク“という製品をご存知でしょうか。
最近ではスターリンクという言葉をCMでも聞くようになりましたが、全くご存知ない方、詳しくはご存じない方もたくさんいらっしゃるかと思います。
スターリンクとは、一言で表すと、「宇宙を利用したネットサービス」です。
スターリンクアンテナを設置するだけで個人が人工衛星を用いたインターネット通信を利用できます。
また、KDDI(au)からスマホとスターリンク衛星を直接通信できるサービスが提供されています。
これまでのインターネットの利用は光回線やWi-Fiなどいずれも地上にある設備を利用していました。
スターリンクは人工衛星を利用している点でデータ通信の仕組みがまったく異なります。
今回の記事スターリンクアンテナについて基本的な知識から設置方法まで解説します。
スターリンクとは?
(画像引用:Starlink)
「スターリンクアンテナ」とはどういうもので、設置することで何が出来るのでしょうか。
ここでは開発元やこれまでのネット回線との違い等をご説明します。
(画像引用:Starlink)
スターリンク(Starlink)はどのような意味を込めて名付けられたのでしょうか。
“スターリンク”を直訳すると「衛星の星座」という意味になります。
ここでの「星座」は夜空に見える星々そのものではなく、「点と点が線で連なった状態」を表しています。
つまり、スターリンクは「たくさんの衛星が連なっている状態」を指しています。
このことから、スターリンクには、「多数の衛星が低軌道を飛行し、ネットワークのように繋がっている仕組み」という意味が含まれていると考えれます。
スターリンクはカタカナを交えて「衛星コンステレーション」と呼ばれることもあります。
一般的に“衛星”と聞くと、BSCS放送のための放送衛星・通信衛星や、国際宇宙ステーション(ISS)のように単独で飛行する様子を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、スターリンク衛星は数千基以上の小型衛星が連らなって飛行しています。
この仕組みにより、物理上、全世界で高速かつ低遅延のインターネット接続の実現が可能になりました。
日本国内ではKDDI(au)がスターリンク社と提携し、国内でのサービス提供を進めています。
現在では法人向けの「Starlink Business」、スマホ向けの「au Starlink Direct」などのサービスがすでに展開されています。
(画像引用:Starlink)
「スターリンクアンテナ」はSpaceX(スペース・エックス社)によって開発されました。
スペース・エックス社の正式名称は Space Exploration Technologies Corp. 、CEOはTwitter(現X)を買収したことで知られるイーロン・マスク氏が務めています。
本社はアメリカ・カリフォルニア州に置いています。
スペース・エックス社は航空宇宙分野で世界的に有名な企業で、民間企業として初めて有人宇宙飛行を成功させたことで知られています。
ロケット打ち上げや宇宙輸送サービスなど広く事業展開しており、「スターリンクアンテナ」は衛星インターネット事業による産物です。
スターリンク(Starlink)は、数千基の小型衛星を低軌道に配置してネットワークを形成しています。
従来の人工衛星による通信(静止衛星通信)と比べて遅延の低さや通信速度が特長です。
このように、スターリンクの開発元であるスペースX社は、宇宙開発技術と通信技術を組み合わせ、低軌道衛星による新しいインターネット環境を実現する企業として世界中から注目されています。
日本国内でのスターリンクサービスは、これまで地上に設置するスターリンクアンテナを介した通信が提供されていました。
2025年4月から、KDDI(au)でスターリンクのダイレクト通信(「au Starlink Direct」)サービスの提供が始まりました。
ダイレクト通信では、スマホとスターリンクが直接通信します。
日本ではKDDIがスターリンク社と提携し、日本国内でのサービス提供(au)を担当しています。
KDDI(au)では、2022年に1,200箇所の基地局を介して地方の顧客層向けにより速度が高い通信の提供を目指すことが発表されました。
実際に2023年9月時点で、スペース・エックス社および協力企業によって各地に設置された地上ステーションやau基地局(KDDI)のゲートウェイを介してスターリンクサービスが提供されました。
中継地点は、KDDI石狩海底線中継所、KDDI秋田海底線中継所、KDDI茨城海底線中継所、KDDI山口衛星通信所の4か所が設置されています。
2025年10月現在、主にauスマホ利用者向けにダイレクト通信、法人向けに基地局などを利用する方法とスターリンクアンテナを利用する方法が提供されています。
(画像引用:フレッツ光)
スターリンク(Starlink)は、人工衛星を使ったインターネットサービスです。
インターネットの利用には光回線、Wi-Fiなど様々な方法がありますが、いずれも基地局やケーブルなど地上の設備を経由します。
スターリンクは、これまでの仕組みとはまったく異なります。
受信機となるスターリンクアンテナを設置することで、スターリンク衛星から直接電波を受信します。
地上にスターリンクアンテナを設置し、Wi-Fi設定を行うと、簡単に衛星インターネットに接続できます。
(画像引用:ドコモビジネスHP)
衛星といってもパラボラアンテナの人工衛星とは仕組みが異なります。
衛星と聞くと、BSやCS放送のようなパラボラアンテナを設置して利用する人工衛星(放送衛星・通信衛星)をイメージするかもしれません。
放送衛星などは地球の回転と同じ24時間周期で移動しており、地球からは静止しているように見えます。
24時間365日、常に同じ衛星(一基の衛星)から受信しています。
一方のスターリンク(Starlink)衛星は、常に超高速で移動しています。
1基のスターリンク衛星と通信できる時間は約4分程度です。
1基の衛星の対象範囲から外れると次の衛星の対象範囲へと移っていき、衛星が交代しながら通信が途切れない仕組みになっています。
スターリンクアンテナは単なるネット受信機ではなく、低軌道衛星ネットワークによる高速通信を実現する最新技術の機器です。
(画像引用:Starlink)
スターリンク(Starlink)衛星は2018年2月、試験的な2基の打ち上げを皮切りに開始されました。
2019年5月には試験的にまとめて60基を打ち上げて成功しました。
2020年から本格的に定期的な打ち上げが始まり、低軌道衛星による通信ネットワークの構築が加速しました。
全世界でスターリンクを利用したインターネットを普及させるため2022年末までに当初1,500基程度の衛星の連なりにする計画でした。
しかし、実際には計画の倍以上、2022年末までに3,000基超が打ち上げられました。
2024年初頭の時点では、軌道上にスターリンク衛星は約6,000基まで増え、地球低軌道上で高速かつ低遅延の通信を可能にしました。
2025年7月時点では6,750基以上に達していることが公表されています。
今後は1万から1万2000基まで衛星を展開する計画を持っています。
さらに、次世代ロケット「Starship」を用いた3万基規模の次世代衛星「Starlink V2」の打ち上げも計画されています。
これにより、低軌道衛星を活用した通信のさらなる高速化と安定化が期待されます。
2025年4月10日から、日本でスターリンクとスマートフォンのダイレクトアクセスが開始されました。
ダイレクトアクセスとは、スターリンク衛星とスマートフォンの直接通信サービスです。
日本ではKDDI(au)が提供する「au Starlink Direct」により、スマートフォンでの衛星通信が可能になりました。
これまで国内でのスターリンクの利用には専用のスターリンクアンテナの設置が必要でしたが、ダイレクトアクセスではアンテナは不要です。
KDDI(au)の場合、特別な申込みも必要なく、圏外かつ空が見渡せる状況であれば、Starlink衛星と自動的に接続されます。
条件は特にありませんが、使用できる機種などは限られているため確認は必要です。
また、KDDIが運営する UQモバイルや、au以外の回線利用でも同様のサービスを受けられますが、申込みや別途料金が必要のため注意しましょう。
なお、「au Starlink Direct」でも、いつでもスターリンク衛星を利用できるわけではなく、圏外や不測の事態(災害時)などでの利用に限られています。
スターリンクアンテナとは
(画像引用:Starlink)
スターリンク“アンテナ”についてご説明します。
スペース・エックス社が打ち上げたインターネット用の人工衛星(スターリンク衛星)との送受信に用いるアンテナが“スターリンクアンテナ”です。
スペース・エックス社による衛星インターネットの本来の目的は、ネットが繋がりにくい山間部や離島、飛行機や船舶等の移動中にネット回線を提供する事でした。
実際にはさらに幅広く利用され、大規模災害時などによりインターネットに接続できない不測の事態に向けた予備回線としても重宝されています。
これまでインターネットに関しては宇宙ではなく地上や地中に目が向けられ、海底ケーブルや光ファイバー等インターネットには有線ありきでした。
それに対して“スターリンクアンテナ”は、アンテナを設置した個人が宇宙にある人工衛星を介して直接ネットを利用できます。
大きな災害でインフラに影響が出ても、通信圏外の場所でも、スターリンクアンテナさえ設置すればインターネットを利用できる環境になります。
2024年1月1日に発生した能登半島地震では、光ケーブルや基地局の設備損壊などで多くの地域でネットワークインフラが途絶えてしまいました。
KDDIとソフトバンクがスターリンクアンテナ約700台を避難地に無償提供し、インターネット環境を早急に構築することができました。
インターネット基地局の修繕に向かうことが厳しい環境の中、小型で軽量なスターリンクアンテナの活用は早期復旧に非常に有効な手段となったのです。
これにより、災害時の通信インフラの補完手段としての重要性がさらに高まりました。
地域のネットワークが途絶えた状況でも、スターリンクアンテナを活用することで、迅速かつ効果的にインターネット環境を確保することが可能であることが証明されました。
今後も、災害時の通信インフラの強化やバックアップとして、スターリンクアンテナの活用が検討されることが予想されます。
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☞【災害時におすすめの通信手段!スターリンクアンテナは本当に使える?】
(画像引用:Starlink)
これまでインターネットは、宇宙ではなく地上や地中の通信回線を中心に利用されてきました。
その理由の一つが、人工衛星との距離にあります。
従来の静止衛星は地上約36,000kmの高軌道にあります。
地球一周が約40,000kmであることを考えると、衛星と地上の間の距離がいかに遠いかがわかります。
このため、従来の衛星通信は遅延が大きく、高速なインターネット利用には不向きとされてきました。
一方、スターリンク(Starlink)の衛星は低軌道にあり、地上から約550kmの距離に配置されています。
550kmは東京と大阪や、北海道の東西(松前港から知床岬まで)の距離と同じ程度です。
この低軌道により、衛星と通信端末の間での遅延が極めて小さく、光回線に匹敵する高速通信が実現しています。
また、スターリンク衛星は複数の衛星が連携していることから、相互に通信エリアをカバーし、安定したインターネット接続を提供できるのも大きな特徴です。
このため、山間部や離島、移動中の車両や船舶でも、スターリンク衛星と接続でき、高速インターネットを利用できます。
(画像引用:Starlink)
これまでインターネットは、地上や地中の通信回線を中心に利用されてきました。
宇宙利用が進まなかった理由の一つには、衛星の速度もあります。
従来の人工衛星(静止衛星)は地球の回転と同じ24時間周期で移動しており、地球からはあたかも静止しているように見えます。
静止衛星の通信は比較的安定していますが、低軌道衛星と比べると地球との距離が長く、通信の遅延が生じるため高速通信には向きません。
一方、スターリンク(Starlink)の衛星は低軌道にあり、非常に高速(超高速)で移動しています。
超高速で移動するため、一基のスターリンク衛星と地上のスターリンクアンテナが直接通信できる時間は約4分程度と限られています。
しかし、複数の衛星が交代で通信エリアをカバーするため、通信が途切れることがありません。
スターリンク衛星の連なりは、夜間では肉眼でも確認でき、まるで夜空に浮かぶ光の列車のように見えます。
鉄道のように見えることから「スターリンクトレイン」とも呼ばれています。
このように、スターリンクは超高速移動・低軌道衛星の特性を活かすことで、安定した高速インターネットを実現しています。
現在すでに都市部だけでなく地方や離島、移動中の車両や船舶でも、高速かつ低遅延でインターネット通信が可能になっています。
今後もauなどの通信事業者との連携により、より広範囲でのサービス提供が期待されます。
(画像引用:Starlink)
上記種類①に挙げた個人向け「STARLINK 標準」の場合をご紹介します。
スターリンクアンテナはアンテナ本体やケーブル等のバラ売りはなく、一式を購入することになります。
一式の料金は税込55,000円です。
毎月のインターネット利用料金は税込6,600円です。(当初より4割前後下がりました。)
アンテナの設置は至って簡単ですが、設置場所が高所や狭所の場合には専門業者に取り付けを依頼したほうが安心です。
その際には別途、工事費用が発生します。
なおスペース・エックス社は設置サービスを担っておらず、日本ではテレビアンテナ業者が請けています。
スターリンクがコストコで販売スタート
前述で、スターリンクアンテナについて詳しくご紹介してきましたが、なんと2023年8月24日から日本国内のコストコで販売が始まりました。
コストコは、アメリカ生まれの大型会員制の倉庫型ショップで、海外の製品や食品など幅広い扱いがあり、アメリカにとどまらず世界でも人気の大型スーパーです。
コストコが日本に初上陸したのは1999年、以来、着々と全国各地へ出店し現在は33店舗を数えるまでに拡大しています。
今回、スターリンクの装置の販売は、まず大阪府門真市にオープンした新店舗で販売が開始され、他32店舗に徐々に拡大販売される予定です。
コストコでは、「スタンダードキット」として販売され、料金は配送料込みで5万5000円となっています。
詳しい情報は、以下コストコのWebサイトでも紹介されていますので、気になる方はチェックしてみて下さい。
現在コストコでは、スタートリンク購入者向けに【コストコ特典】として、月額通信費で使用できる2か月分のクレジットのプレゼントキャンペーンを行っています。
気になっている方は是非このチャンスを逃さずにご検討下さい。
参考までに、コストコでスタートリンクを購入された方の口コミをいくつかご紹介させて頂きます。
【コストコWebサイト内の口コミ引用】
設置が早い、接続が簡単、通信が高速
「設置が早い、接続が簡単、通信が高速、届いて15分後にはつながった。高所で上空に邪魔するものがない屋上バルコニーや物干し台がある方、もしくは庭に設置できる方には超おススメです。通信が切れることもほぼなく、高速です。特にルーターの接続IDやパスワードをスマホ経由で自分で決めることが出来るため、これまでの通信会社系のブロードバンドルーターでの、接続設定作業のもんどうくささやIDやパスワードなどの間違いが起こりません。」
固定利用なら専門会社に任せたほうが確実
「戸建てにしっかり設置するには実績を公開しているような専門の会社に頼めば綺麗にやってもらえる。」
☞【コストコWeb専用サイト】
尚、スターリンクアンテナは、空への視界が開けた場所に設置する必要があり、一般的には屋根上への設置されることがほとんどです。
屋根の上への設置は高所作業になりますので、様々な危険が伴います。
詳しくはこちらの記事でご紹介する【スターリンクのデメリット】をご確認下さい。
現在、スタークリンクはコストコ以外にも、以下サイトで販売が開始されています。
このように、スターリンクを購入するにはいくつかの方法があります。
尚、現在、ソフトバンクやNTTドコモでも同様にスターリンクの取り扱いの準備中で、今後取り扱いが開始予定となっています。
さらに、SpaceX社は、2024年6月20日(現地時間)に、Starlinkアンテナのコンパクト版となる「Starlink MINI」を発表しました。
縦横A3サイズの紙よりやや大きい程のサイズ感で、重さはキックスタンドを付けても1.16kgとミニサイズです。
現在は米国での限定販売となっています。
しかし、今日も発展し続けるSpaceX社、今後の日本や各国での取り扱いについても気になるところです。
スターリンクのメリット
スターリンクは画期的なシステムですが、スターリンクアンテナを利用したインターネットには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは主な6点を挙げます。
メリットとあわせて下記で述べるデメリットもご覧になって、ご自身の環境に適しているか判断してくださいませ。
(画像引用:Starlink)
スターリンクアンテナを利用したインターネットには各国の許可が必要ですが、理論上はアンテナを設置できれば地球上全ての場所で利用することができます。
山小屋や離島等光回線の通信サービス対象外の場所でも、大きな災害が起きて電信柱が倒れたり電線が切れたりしても全く影響ありません。
普段の通信速度が遅い環境下にいる方がスターリンクを利用することで快適なネット環境に変えることもできます。
(画像引用:Starlink)
スターリンクアンテナの利用は申込み後に届くアンテナやWi-Fiルーターなどが揃えば簡単に始められます。
アンテナを設置してスマホ等でWi-Fiを設定するだけです。
初心者でも30分程度でオンラインにできます。
アンテナの方向を最寄りのスターリンク衛星に合わせる必要がありますが、パラボラアンテナの方向調整のような複雑さはありません。
スターリンクアンテナには自動調整機能がついており、余裕のあるスペースに設置するだけで方向調整は完了します。
(画像引用:Starlink)
ネットの手段を決める際に最重要視される点が通信速度だと思います。
スターリンクはストレスなく利用できる通信速度が測定されています。
平均ダウンロード速度を見ると、スターリンクは100~220 Mbps(予想速度)、光回線は274Mbps、ホームルーターは237 Mbps、モバイルルーターは55Mbpsです。(参考:みんなのネット回線速度)
数字上では光回線やホームルーターには劣っていますが、スターリンクでもオンラインゲームを十分に楽しめる速度です。
またデータ使用容量の制限がなく、無制限に利用できることもメリットです。
(画像引用:Starlink)
ラグとはタイムラグを語源としており、ここではインターネット回線の通信が遅れることを指しています。
特にオンラインゲーム等でゲーム時間差が生じる現象をいい、オンラインゲーム上のラグはレイテンシの数値“ping値”で表されます。
“ping値”は、“オンラインゲームで繋がっている相手と時間的なズレを生じずにやり取りできるか“を表しているというと理解しやすいと思います。
pingの単位はms(ミリ秒)で表され、小さければ小さいほどラグが少なく、オンラインゲームを快適にできます。
スターリンクと他のネット回線のping値を比較してみましょう。
ネット回線 | 平均ping値 | |
スターリンク | 25~50ms | |
光回線 | フレッツ光ネクスト | 21.48ms |
ドコモ光 | 19.77ms | |
ホームルーター | ドコモ home 5G | 49.49ms |
Speed Wi-Fi HOME 5G L12 | 44.53ms | |
モバイルルーター | Speed Wi-Fi NEXT W06 | 53.72ms |
Galaxy 5G Mobile Wi-Fi SCR01 | 51.55ms |
(参考:みんなのネット回線速度)
上記のとおり、スターリンクの平均ping値は他のネット回線と比較して低めであることがわかります。
ただ、よりリアルタイムが求められる対戦型のオンラインゲームでは、ping値は15ms以下が理想とされています。
スターリンクを使用する環境下によっては対戦相手とのタイムラグが気になるかも知れません。
しかし光回線にも匹敵するようなping値であり、通常のネット利用ではまったく支障ありません。
(画像引用:Starlink)
まずは個人向け、法人向け、海上・航空機での利用向けなどに分かれています。
さらに個人向けの中で1⃣レジデンシャル(住宅利用)と2⃣RV(移動利用)のプランに分かれます。
1⃣レジデンシャルは自宅など一箇所の場所で使用するプランで、2⃣RVは持ち運んで色々な場所で使用するプランです。
月額使用料金は1⃣レジデンシャルが6,600円、2⃣RVは15,100円です。
いずれも初期費用はかかりますが、2⃣RVの月額使用料金は使用する月のみ支払います。
使用しない月は料金がかからないため2⃣RVは非常事態の備えとしても有能です。
2023年10月31日から、法人向けのプランとして「Starlink Business(スターリンクビジネス)」をNTTドコモが提供を開始、KDDIとソフトバンクも続いて取り扱いを始めています。
Starlink Businessは、法人企業や自治体のニーズに特化したサービスです。
低軌道衛星であるスタートリンクを利用した、衛星ブロードバンドインターネットサービスです。
静止衛星と比較し高速・低遅延の通信が可能となります。
従来の通信手段に比べ、スターリンクはセキュリティを強化し、クラウドサービスへのアクセスや検索、ウェブページの閲覧をより効率的に行うことが可能です。
通信インフラが不十分な地域や地理的に離れた場所の企業やにおいても、スマートフォンやパソコンを使って信頼性の高いインターネット接続を実現し、クラウド上でのビジネス運用を支援しています。
Starlink Businessは、災害時や緊急時にも役立ちます。
通信中断時でも、Starlinkの衛星ネットワークを活用して、ビジネス継続や通信回復を迅速に支援できます。
Starlink Businessを活用できるケース | ||
一次産業 | 農業 |
農薬・肥料散布、生育観察の自動化 |
林業 |
災害・生育監視などの森林モニタリング |
|
水産業 |
データを活用した漁業支援 |
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二次産業 | 畜産業 |
飼料供給の自動化 |
エネルギー業 |
スマートメーターや河川などの遠隔監視 |
|
建設業 |
電波の届か居ない土木現場・建設中の 高層階からのインターネット接続 |
|
医療 |
災害時の遠隔医療 |
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三次産業 | 情報通信業 |
放送局の無線中継バックアップ |
サービス業 |
山間部の配送自動化、電子決済の利用促進 |
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公共 | 山間部での通信品質改善、DX促進 |
現在は主に下記のキャンペーンが開催されています。
公式サイトによる30日間の無料お試しサービスです。
こちらのキャンペーンは期間限定ですが期限は発表されていません。
キャンペーンを利用することで、1ヶ月間の使用後に購入を判断することができます。
またキャンペーンとは別に月額料金が当初に比べて4割前後下げられました。
スターリンクのデメリット
メリットの次にはスターリンクのデメリットを見ていきます。
ここでは主な4点を挙げます。
スターリンクはサービスが始まったばかりですが、すでに当初の月額料金が徐々に値下がりしており、今後さらにサービス向上が望めます。
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(画像引用:Starlink)
スターリンクアンテナは空への視界が開けた場所に設置する必要があります。
アンテナ本体が方向を自動調整するため、周囲のものと接触しない余裕のある場所が適しています。
スターリンクアンテナ本体の形は当初円型でしたが、現在購入すると後発の角型モデルが届くようです。
角型モデルのサイズは51✕30cm、高さ最大54cm、重さ4.2kgです。
あまり大きく感じませんが、アンテナ本体がぐるぐると回るためには空を見渡せるような平地を確保しなければなりません。
1㎡の空間でもアンテナが自動調整するには足りるかも知れません。
しかし地上に設置する場合、少し離れた建物や竹林が通信の妨げとなる可能性があります。
また住宅密集地や山林付近に設置する場合、本体を高所に取り付けて周囲の障害物を避ける必要があります。
高所は自宅の屋根の上が最適かも知れません。
ただし屋根の上への設置は高所作業になり様々な危険が伴うため、ご自身で設置はせず業者へ依頼することをおすすめします。
(画像引用:Starlink)
スターリンクアンテナの導入には下記の3つの料金が掛かります。
①スターリンク本体代
②毎月の利用料
③アンテナ設置費用
※みずほアンテナでは③の設置工事のみを承っておりますので、本体購入と契約につきましてはお客様ご自身で行っていただく必要があります。
個人向けコースの中で1⃣レジデンシャル(住宅利用)と2⃣RV(移動利用)のプランに分かれ、初期費用は同様にかかります。
機材一式で55,000円です。
発売当初は公式サイトによる、本体代半額キャンペーンがありましたが現在キャンペーンは行っていないようです。
月額料金は、2⃣RVは使用しない月の課金を一時停止することができますが、1⃣レジデンシャルは使用に関わらず課されます。
1⃣レジデンシャルは月6,600円、2⃣RVは月9,900円です。
月額料金は当初1⃣12,300円、2⃣15,100円でしたのでともに4割前後下げられました。
月額料金は値下げにより光回線など他のネット手段と比べても大差ない料金になりました。
フレッツ光の場合、戸建て向けでは5,720円~となっています。(参考:フレッツ光)
一方で初期費用は半額キャンペーン中でも高めです。
「自宅でネットを利用する」点だけで見るとさらに高額に感じるかも知れません。
ただスターリンクアンテナは衛星から直接電波を受信する点で他のネット手段とは一線を画しています。
例えば“自宅”が“ネットの繋がりにくい地域”である場合、スターリンクは決して高額とは言えません。
(画像引用:Starlink)
スターリンクの個人向けコースにある2⃣RV(移動利用)のプランでは、持ち運んで様々な場所で使用できますが、移動しながら使用することはできません。
訪問先や旅先など場所は問いませんが、必ず”スターリンクアンテナ”を設置して使用することとなります。
つまり車などで移動しながら使用することはできません。
ただ2023年5月、移動中の車内や航行中の船舶などでも利用できる”Starlink Mobility(スターリンク・モビリティ)“のサービスが公式に発表されました。
新サービスが開始されると車や飛行機で移動中にもスターリンクの高速通信を利用できるようになります。
(画像:弊社による施工)
これまで、日本国内でスターリンクを利用するためには、受信機となる“スターリンクアンテナ”を設置することで衛星から電波を受信できました。
地上に整備された基地局などを使用しない点では光回線などのネット回線とは異なりますが、基地局などの代わりに自分専用の“スターリンクアンテナ”を設置する必要があるとも考えられます。
2025年4月、KDDI(au)でスマホとスターリンク衛星と直接通信できるサービスの提供が始まりました。
「au Starlink Direct」サービスです。
ダイレクト通信の利用対象者はauスマホの対象機種利用者は無条件で含まれます。
UQモバイル利用者や、他社の回線利用者も対象になり得ますが、申込みや利用料金が必要となるので注意が必要です。
現在はスマホのみに限られており、PCなどとの直接通信は行われていません。
使用できる場面は圏外や災害時など不足の事態に限定されています。
また、auのビジネス向けのスターリンクサービスでは、スターリンクアンテナを設置する方法やKDDIの基地局などを介する方法などが提供されています。
スターリンクがおすすめな人
(画像引用:Starlink)
スターリンクの個人向けコースは1⃣レジデンシャル(住宅利用)と2⃣RV(移動利用)のプランに分かれています。
1⃣レジデンシャルの場合、山奥や離島に住んでいる方に向いているといえます。
特にネット環境が整備されていなかったり電波が不安定だったりする地域にとってスターリンクは有り難いサービスではないでしょうか。
また山間や離島でなくても開けた土地に住んでいる方にもスターリンクは向いています。
光回線では工事員による開設作業が必要ですが、スターリンクは開けた土地があればご自身で設置することができます。
30分程度の準備でオンラインになり、設置の煩わしさがありません。
2⃣RVの場合、持ち運べる点、使用しない月は月額料金がかからない点が大きな特長です。
キャンプなどでネット環境のない地域へよく行く方、インフラに被害ができるような大災害へ備えたい方などに適しています。
いずれの利用プランでもスターリンクのデメリットよりもメリットを活かせる方におすすめです。
スターリンク日本国内の口コミ
(画像:弊社による施工)
2022年10月に日本でのサービスが提供され、国内でスターリンクを使用している方のクチコミが増えてきました。
良い面と残念な面、それぞれの主な意見をご紹介します。
・通信速度に満足(体感的に光回線とほぼ差がない)
・設置作業が楽(ケーブルが繋がった状態で届く)
・電波の受信状況はアプリで確認できる
・山奥や離島、僻地でも使用できる(基地局がない地域でも高速通信が実現)
・想像以上に大きい、重い(角型モデル:51✕30cm、高さ最大54cm、重さ4.2kg)
・通信が一瞬途切れることがある(次のスターリンク衛星に切り替わるタイミングか)
・緊急用の回線としては料金が高い
・密集地では自分で取り付けられなかった
実際に弊社にお申し込みいただく方にはガジェット好きといった戸建て保有者以外に、集合住宅のオーナー様、工場や事務所を所有する法人企業様など、物件の都合でスターリンクの取り付けが一番適しているといった理由からご依頼いただくことが多いです。
スターリンクの登場により、あらゆる地域や建物でインターネットの普及が広がっています。
スターリンクを日本で利用する方法
(画像引用:Starlink)
スターリンクの利用にあたって、申込方法から取り付け位置・方法、受信方法をご説明します。
(画像引用:Starlink)
スターリンクは個人向け、法人向けなど使用者にあわせてコースが分けられ、さらにコースの中でも使用目的によってプランが分かれているので、申込みの前にプランを決めます。
個人向けコースは1⃣レジデンシャル(住宅利用)と2⃣RV(移動利用)のプランがあります。
自宅など一箇所で使用したいのか、持ち運んで様々な場所で使用したいのかによって選びましょう。
なお想定している場所でスターリンクが使用できるのかも申込み前に確認しましょう。
提供エリアの確認は、スターリンクの専用アプリをダウンロードし簡単に行うことができます。
アプリはスマホなど端末のカメラで周囲を撮影して衛星通信の状態を測ります。
使用予定場所の周辺に衛星通信に障害となるものがあると「もっといいスポットを探してください」などと表示されます。
提供エリアの確認は、スターリンク公式ホームページで公開されている“地図”でもチェックできます。
“地図”では沖縄県の離島の一部で“近日サービス開始”と表示される場所があります。
しかし実際には石垣島、波照間島や与那国島などでのスターリンク利用者のクチコミも確認できます。
スターリンク公式HP上サービス対象外の地域も含めて、日本国内でのサービスは網羅されていると考えて良さそうです。
使用予定場所がスターリンクに適していることが分かったら購入の申込みへ進みましょう。
申込みはスターリンクの公式ホームページからできます。
(画像引用:Starlink)
「STARLINK 標準」はアンテナ本体、Wi-Fiルーター、電源コード、接続ケーブル等全ての機器がケーブルで繋がれた状態で届きます。
つまり各ケーブルが緩みなくきちんと挿し込まれているか確認するだけで、すぐにアンテナ設置に取り掛かることができます。
素人でも問題なく設置できそうですが、注意しなければならない点があります。
一つはケーブルの処理です。
長さ約30mで太くて頑丈な作りの為に扱いづらく、屋外のアンテナと屋内の電源を繋ぐ際の通す場所の見極めや処理が困難です。
さらに当初のスターリンクアンテナモデル(円型)の場合、ケーブルの替えがきかず破損したら全てを買い替える事になります。
注意点の二つ目はアンテナの重量です。
当初のモデル(円型)は7.3kg、後発のモデル(角型)は4.2kgあります。
衛星放送のパラボラアンテナと異なりスターリンクアンテナはお椀型ではなくテーブルのような姿形で重量感のあるデザインです。
当然ですが丁重な扱いが求められますので、設置場所や取付け方法等に少しでも不安を感じたら専門業者へ依頼しましょう。
ー関連記事ー
☞【スターリンク(starlink)の使い方を解説|仕組み・メリット・料金も紹介】
スターリンクの取付方法 DIY可能?
(画像引用:Starlink)
スターリンクを受信するには上空が360°開けている必要があります。
庭や空き地で開けている場所があれば置くだけで設置は完了します。
しかし配線を引き込む必要があるためには建物近くに設置する必要があり、建物付近に設置できる開けたスペースがない場合は屋上や屋根上に設置する必要があります。
設置したい物件周辺が密集地であったり、設置できるスペースがない場合はハシゴを使い屋根上などの高所に設置する必要があります。
高所への設置となった場合、スターリンクは重量があるため素人による工事は大変危険です。
加えて、屋外取付用のオプション金具以外に金具を取り付けるための工具や配線の引き込み口を作る工具が必要になりますので、キット以外に費用と時間がかかります。
またマンションやアパートなどの集合住宅への設置を検討されている場合は、まず物件のオーナーや大家さんに確認を取りましょう。
集合住宅のベランダでは頭上の屋根が邪魔をして受信ができな可能性が高いため、屋上への設置が必要になります。
加えて宅内に配線を引き込む際に引き込み工事が必要になるので、屋上などの共用部への設置や外壁の穴あけの了承を得ましょう。
スターリンク公式の工事請負業者はいません。
現在、工事を請け負っているのはテレビアンテナ専門業者になります。
テレビアンテナ業者の中でスターリンクアンテナ工事を請け負っている会社は数少なく、関東では3社程です。
ー関連記事ー
☞【スターリンクアンテナはマンションにも設置できる?賃貸住宅に設置する際の注意点】
☞【スターリンクの取り付け工事は自分でできる?設置方法や料金を解説】
スターリンク設置ならみずほアンテナ
※価格は2024年11月28日時点
※上記は地デジアンテナの設置価格になります
みずほアンテナは業界で”初めて“スターリンクアンテナの取付け工事を開始しました。
みずほアンテナはアンテナ専門業者ですので高所作業や取付工事には高い技術や多くの経験を誇っており、スターリンクが日本上陸してすぐに工事の受付を開始したため、現在数多くの実績を誇っています。
スターリンクの太く頑丈なケーブルも美しく丁寧に処理します。
関東では弊社以外に1~2社工事を請け負っていますが、地方エリアではみずほアンテナのみとなっております。
みずほアンテナでは【関東/関西/東海/中国/九州/東北】エリアでスターリンクアンテナの工事を承っております。
料金につきましてはお客様のご用意されているキットにより異なりますので、一度お電話にてお問い合わせください。
スターリンクの設置事例
弊社で行ったスターリンクアンテナ設置工事をご紹介します。
設置例①
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施工エリア | 埼玉県入間郡越生町 | ||
設置場所 | 破風板 | ||
ポイント |
取り付け金具は弊社でご用意 |
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詳細 | 埼玉県入間郡越生町 スターリンクアンテナ設置工事 |
設置例②
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施工エリア | 熊本県阿蘇郡西原村 | ||
設置場所 | 外壁 | ||
ポイント | 取り付け金具は弊社でご用意 | ||
詳細 | 熊本県阿蘇郡西原村 スターリンクアンテナ設置工事 |
設置例③
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施工エリア | 神奈川県鎌倉市 | ||
設置場所 | 屋根の上 | ||
ポイント | 屋根馬(台)は弊社でご用意 | ||
詳細 | 神奈川県鎌倉市 スターリンクアンテナ設置工事 |
設置例④
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施工エリア | 宮崎県宮崎市 | ||
設置場所 | 外壁 | ||
ポイント | 取り付け金具は弊社でご用意 | ||
詳細 | 宮崎県宮崎市 スターリンクアンテナ設置工事 |
設置例⑤
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施工エリア | 福岡県糸島市 | ||
設置場所 | 外壁 | ||
ポイント | 取り付け金具は弊社でご用意 | ||
詳細 | 福岡県糸島市 スターリンクアンテナ設置工事 |
設置例⑥
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施工エリア | 東京都練馬区 | ||
設置場所 | 屋根の上 | ||
ポイント | 屋根馬(台)は弊社でご用意 | ||
詳細 | 東京都練馬区 スターリンクアンテナ設置工事 |
その他の施工例☞【スターリンク設置事例】
スターリンク|まとめ
(画像引用:Starlink)
以上、スターリンク全般に関してお伝えしました。
スターリンクは現行のインターネットの通信環境に恵まれていない地域の方にとって、待ちに待った製品に違いありません。
人工衛星を利用したインターネットは現在珍しいかも知れませんが、地震や洪水等の自然災害の多い日本に適しているサービスです。
実際にスターリンクアンテナの利用者の中には災害時のサブ回線として契約している方もいらっしゃいます。
設置できるか不安で購入を迷われている方、スターリンクアンテナを購入して実際に手元に届いたら想像以上の重量で設置に不安を覚えた方、ぜひみずほアンテナへご連絡ください。
みずほアンテナが最適な場所に安全に設置いたします。
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