(画像引用:Starlink)
スターリンクというネットサービスはご存知でしょうか。
スターリンクはアメリカで開発され、日本での普及は十分とは言い切れません。
ただ最近ではコストコでの取扱いが始まり、日本での需要も高まっています。
スターリンクは衛星を利用したインターネットサービスです。
スターリンクアンテナを購入し設置することで簡単に使用を開始できます。
今回はスターリンクの使い方を中心に、スターリンクの概要、メリット・デメリットや使用上の注意点などを解説していきます。
スターリンクの使い方<手順解説>
(画像引用:Starlink)
スターリンクの使い方はとても簡単です。
①公式ホームページから申し込み
②自宅に届いたらアンテナを設置
③専用のアプリで接続設定を行う
②のアンテナ設置は、設置する場所が高所になる場合は自分で行わず業者に依頼したほうが安心です。
①②③の詳細について順番にご説明します。
①公式ホームページから申し込む
(画像引用:Starlink)
スターリンクの利用には“スターリンクアンテナ”が必要です。
“スターリンクアンテナ”を購入するとルーターやケーブルなど一式が届きます。
ここでは購入の申込みについてご紹介します。
主な申込み先はスターリンクの公式ホームページです。
最近コストコが販売を始めて、コストコオンラインから注文することもできます。
ただしコストコオンラインの利用はコストコ会員に限られています。
コストコ会員は有料ですので、スターリンクの購入だけが目的であれば、スターリンク公式ホームページが最もお得でしょう。
スターリンクの公式ホームページでは、購入するタイプ(個人用、仕事用など)を選び、あとは住所などを入力して注文へ進みます。
日本はほぼ使用可能地域となっていますが、沖縄県など一部の地域では近日中の利用開始となっています。
ご自身の使用予定の場所の状況について前もって確認しておきましょう。
提供エリアの確認は、スターリンクの専用アプリでできます。
②自宅に届いたらアンテナを設置する
(画像引用:Starlink)
スターリンクを購入すると
「アンテナ本体(スターリンクアンテナ)」
「台(ベース)」
「Wi-Fiルーター」
「電源コード」
「接続ケーブル」
などのスターリンクキットが届きます。
“スターリンクアンテナ”の設置から始めましょう。
設置場所は空への視界が開けた空間を選びます。
アンテナ本体が方向調整のために自動で回転するため、周囲に接触するものがない、余裕のある場所でなくてはなりません。
個人向けの「STARLINK 標準」のスターリンクアンテナの本体は、角型モデルでおおよそ51✕30cm、高さ最大54cm、重さ4.2kgあります。
周囲が広く開けている平地であれば、地上に設置して問題ないでしょう。
住宅密集地や山林付近であれば、屋根の上など高所に設置することが最適でしょう。
周囲の建物や山林が影響しない空間が求められるためです。
高所作業が伴うときは無理してご自身で設置せずに業者へ依頼しましょう。
③専用のアプリで接続設定を行う
スターリンクキットはアンテナ本体、Wi-Fiルーター、電源コード、接続ケーブルなど全ての機器がケーブルで繋がれた状態で届きます。
アンテナ本体を適切な場所に設置しルーターの電源を入れたら、専用アプリで設定を行います。
専用アプリはスターリンクアンテナの購入に関わらず利用でき、購入前でも利用可能地域などの確認ができます。
専用アプリはiOS版、Android版とそれぞれに対応しています。
インストールしたら、アプリの指示に従い、スマホのカメラ機能を使ってアンテナ設置場所で上空を360°撮影します。
設置場所の上空に衛星(スターリンク)が十分にあるか確認するためです。
手動による設定はここまでで、あとはスターリンクアンテナが自動で方向調整を行います。
30分程度待ったらオンラインになっており利用を開始できます。
アプリではダウンロードの速度などもリアルタイムで確認できます。
スターリンクとは何か?基本をおさらい
(画像引用:Starlink)
スターリンクとは、衛星を利用したインターネットサービスです。
これまでインターネットサービスは地上や地中の利用が当たり前で、宇宙空間を利用している点で画期的です。
さらに海底ケーブルや光回線などの有線を必要とせず、個人が直接人工衛星と通信できる点も革新的といえます。
開発はアメリカカルフォルニア州のスペース・エックス社、CEOは起業家のイーロン・マスク氏です。
イーロン・マスク氏はテスラのCEOやTwitter買収などでも知られています。
スペース・エックス社は名称どおり宇宙関連会社で、衛星インターネット事業の一貫でスターリンクが開発されました。
“スターリンクアンテナ”を設置できる空間と電源さえあれば地域を問わず利用できます。
これまでネット難民だった山間部や離島なども通信圏内になります。
加えて、大きな災害でインフラが壊滅したときでもネットが利用できるようになります。
2022年末時点では、スターリンクのネットサービスは45カ国で提供されています。
日本では、スペースX社とKDDI株式会社が業務提携をし、2022年に地方の顧客向けに1,200箇所の基地局を介し高速な通信の提供を目指すことを発表しています。
実際には、2022年12月にスターリンクを利用した最初のau基地局を、静岡県熱海市の初島に設置しています。
尚、2024年からはスペースXの衛星とauのスマートフォンを直接つなぐサービスも始まる予定です。
衛星とは
(画像引用:Starlink)
衛星とは定常的に惑星の周りを周回している天体のことですが、ここでは人工衛星、スターリンクのことを指します。
スターリンク衛星は、BS/CS放送のための人工衛星とは少し仕組みが異なります。
まずBS/CSの人工衛星は1基しかなく、地球の回転に合わせて移動しています。
そのため地球からは静止しているように見えます。
(画像引用:Starlink)
一方スターリンク衛星は数千基が連なり、超高速で移動しています。
移動の様子は地球からも肉眼で確認でき、“銀河鉄道999”のように見えると言われています。
そして衛星との距離にも違いがあります。
BS/CSの衛星は地上36,000km、スターリンク衛星は地上550kmです。
550kmは東京ー大阪間であり、その近さが実感できます。
スターリンク衛星の光景は壮観で、夜空を走る輝かしい列車のように見えることから、鮮やかな「光のトレイン」とも言われています。
一度は見てみたいスペースXのスターリンクトレインですが、「Satellite Tracker」や「Star Walk 2」などの天体観測アプリを登録し使用することで、肉眼でも見つけることができます。
これらのアプリは便利な衛星追跡ツールの1つで、手元で簡単に衛星の位置を特定できるよう機能が備わっています。
さらに、これらのアプリはインターネットを介さずに動作するため、世界中どこでも利用可能で打ち上げられた衛星を追跡してくれます。
アプリによって情報は異なりますが、打ち上げられたスターリンクの位置と軌道に関する正確な情報、次にあなたの位置の上空を通過するまでの残り時間などを知らせてくれます。
尚、衛星の通過情報は、「Heavens-Above」や「N2YO.com」などのWebサイトでも入手することができます。
スターリンクのメリット・デメリット
メリット①場所を選ばずネットに繋がる
スターリンクアンテナの利用には各国の許可が必要ですが、理論上はアンテナを設置できれば地球上全ての場所で使用可能です。
しかもオンラインゲームを十分に楽しめる通信速度です。
個人向け利用に至ってはデータ使用容量の制限がありません。
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デメリット①移動しながらの利用はできない
ロームは外出先や旅行先での使用が想定されていますが、その都度、定位置での設置・設定が必要で移動しながらの使用はできません。
移動中の使用を想定した“スターリンク・モビリティ“のサービスもありますが、一般向けではなく緊急対応など公共用です。
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メリット②セッティングが簡単
スターリンクアンテナのキットはアンテナ本体やWi-Fiルーターなどすべてがケーブルに繋がれた状態で届きます。
広い空間にアンテナを設置したらあとはスマホで設定できます。
初心者でも30分程度でオンラインになります。
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デメリット②高所作業になる可能性がある
スターリンクアンテナは空への視界が開けた場所に設置しなければなりません。
住宅密集地や山林付近で使用する場合は屋根の上などに取り付けるため、高所作業となり個人での工事は危険です。
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メリット③様々なキャンペーンが行われている
現在は「30日間の無料お試し」ができ、1ヶ月ほど使用してから購入を決めることができます。
また個人向けのサービスでは、最初に購入するキットが半額に割り引かれています。
いずれも期限は公表されていません。
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デメリット③高額
個人向けのサービスでは本体代55,000円、月額使用料は6,600円~です。
使用頻度によっては割高になります。
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※みずほアンテナでは設置工事のみを承っておりますので、本体購入と契約につきましてはお客様ご自身で行っていただく必要があります。
ースターリンクのメリット・デメリットに関する記事ー
👉スターリンクを日本で設置するには?個人で設置する方法や料金、メリット・デメリットも解説
スターリンクの料金プラン
(画像引用:Starlink)
個人向けサービス
姿形 | 特徴 | 本体費用 | 月額利用料 | |
①レジデンシャル |
・標準 ・家庭用 |
55,000円 |
6,600円 | |
②ローム |
・携帯 ・旅行用 |
9,900円 ※1 |
(画像引用:Starlink)
※みずほアンテナでは設置工事のみを承っておりますので、本体購入と契約につきましてはお客様ご自身で行っていただく必要があります。
※ 使用した月のみ支払う
向いているユーザー
①レジデンシャル・・・
ネット環境が整っていない地域で活躍します。
山間部や離島に住んでいる方、既存のネットサービスに満足していない方などの日常使いに向いています。
②ローム・・・
場所を選ばず使えるポータブル高速インターネットです。
期間を限定して使用できることから、一時的な旅先や外出先でのネット使用に向いています。
また使用した月のみ利用料がかかることから、非常時のための備えとしても最適です。
ビジネス向けサービス
姿形 | 特徴 | 本体費用 | 月額利用料 | |
ビ ジ ネ ス |
・データ量で 利用料が 異なる |
231,370円~ ※1 |
28,000円~ |
(画像引用:Starlink)
※1 初期費用はスターリンクアンテナ購入時に一括で支払う
向いているユーザー
山岳地帯や僻地などで高速大容量回線が必要なときに最適です。
ネット環境が厳しい立地に建つ企業や、厳しい環境に研究所を持つ企業など様々な使い方があります。
スターリンクアンテナは異常気象にも高い耐性が特徴の一つです。
極寒、酷暑、雹、みぞれ、暴雨、台風、さらにロケットエンジンにも耐えることができます。
スターリンクの通信速度
(画像引用:Starlink)
スターリンクの通信速度を他の通信手段と比較してみましょう。
平均ダウンロード速度
スターリンク | レジデンシャル |
50~200Mbps (予想) |
光回線 | ドコモ光 | 276Mbps(平均) |
ソフトバンク光 | 313Mbps(平均) | |
ポケットWi-Fi | WiMAX 2+ | 92Mbps(平均) |
ホームルーター | ドコモ home 5G | 157Mbps(平均) |
NURO Wireless 5G | 284Mbps (平均) |
平均アップロード速度
スターリンク | レジデンシャル |
最大25Mbps (予想) |
光回線 | ドコモ光 | 261Mbps(平均) |
ソフトバンク光 | 287Mbps(平均) | |
ポケットWi-Fi | WiMAX 2+ | 16Mbps(平均) |
ホームルーター | ドコモ home 5G | 18Mbps(平均) |
NURO Wireless 5G | 26Mbps(平均) |
レイテンシ(遅延)
スターリンク | レジデンシャル |
25~50ms (予想) |
光回線 | ドコモ光 | 19ms(平均) |
ソフトバンク光 | 16ms(平均) | |
ポケットWi-Fi | WiMAX 2+ | 52ms(平均) |
ホームルーター | ドコモ home 5G | 53ms(平均) |
NURO Wireless 5G | 21ms(平均) |
※スターリンクの情報は「公式ホームページ」参照
※光回線などの情報は「みんなのネット回線速度」参照
ネットで動画を見るためには下り50Mbpsあれば快適とされ、オンラインゲームでさえ下り100Mbpsで十分とされています。
つまりスターリンクの通信速度は十分と評価できます。
またスターリンクは20人以上が同時に接続しても処理能力が衰えない点も強みです。
無制限で使用できるって本当?
(画像引用:Starlink)
個人向けとビジネス向けで異なります。
個人向け(レジデンシャル)は無制限で使用することができます。
月額利用料は固定されているため、たくさん使用したほうがお得感があります。
ビジネス向けはデータ量によって月額利用料が異なります。
そのため申込むデータ量に制限されます。
なお個人向け(レジデンシャル)について現在日本では制限がありませんが、アメリカやカナダなど一部の地域ではデータ使用量の制限が設けられています。
制限内容は、日中の通信は優先アクセス(1か月1TB)のデータを消費し、1TBを超えると制限を受けるものです。
いずれ日本国内でもデータ使用量の制限が始まるかも知れません。
ただし1TBは1,000GBであり、現在の使用量と照らし合わせて、恐らく制限を心配する方は少ないでしょう。
スターリンクを使う際の注意点
スターリンクアンテナを使用する際の注意点をご紹介します。
注意点①スターリンクと直接通信ではできない
注意点②スペースX社は設置工事を担っていない
注意点③意外と大きい・重い
注意点④毎月の利用料がかかる
②と③はスターリンクアンテナ設置に関する注意点です。
無理して個人で設置しようとせず業者を頼ることをおすすめします。
注意点①スターリンクと直接通信ではできない
(画像引用:Starlink)
スターリンクによるインターネットには必ず受信機となる“スターリンクアンテナ”が必要です。
場所は問われませんが、いずれの場合でも“スターリンクアンテナ”を設置しなければなりません。
スターリンク(衛星)からスターリンクアンテナが電波を受信し、スマホやパソコンなどが通信可能となります。
光回線などによるインターネットの場合、基地局を経由して私達のもとへ届きます。
スターリンクによるインターネットの場合、基地局の代わりに自分専用の“スターリンクアンテナ”を介すると考えられます。
現在ではスターリンク(衛星)との直接通信はできませんが、スペース・エックス社は実現を目指しています。
注意点②スペースX社は設置工事を担っていない
(画像引用:Starlink)
スターリンクアンテナは空が開けた場所に設置する必要があります。
平地で周囲に高い建物や立木がない場合、スターリンクアンテナを地上に設置しても支障をきたす心配はないでしょう。
ただ日本では住宅密集地や山間部に住んでいる方も多く、スペースに余裕のあるケースは多くありません。
住宅密集地や山間部の場合、周囲の建物や立木よりも高い場所で、さらにアンテナ本体が自動で回転できる空間が必要です。
個人での設置が難しい場合は業者に依頼しましょう。
ただしスペース・エックス社では工事を行っておらず、紹介や提携もありません。
スターリンクアンテナを持ち込みで設置してくれる業者を個人的に探す必要があります。
注意点③意外と大きい・重い
(画像引用:Starlink)
スターリンクアンテナ(個人向け)はテーブルのような形をしています。
天板部分は、長方形で約52cm✕約31cmあります。
ベース(台)を加えると最大の高さは約55cmになります。
重さは約4.2kg、ほかに約15mのケーブルも繋がれています。
屋根の上に設置する場合、このサイズを抱えながら梯子を登り屋根の上で作業することになります。
身近なものとして5kgのお米を想像すると簡単に感じます。
5kgのお米はだいたい30cm✕45cmの袋に入っているため、サイズ感も近いものがあります。
しかしスターリンクアンテナは頑丈に作られており、お米のような柔らかさはありません。
実際のユーザーの声として「意外と大きかった」「設置に苦労した」という感想は多く見受けられます。
注意点④毎月の利用料がかかる
(画像引用:Starlink)
個人向けサービスのうちローム(携帯・旅行用)は使用した月のみの支払いとなり、使用しなかった月は請求されません。
利用料は1か月単位で、使用日数に関わらず9,900円です。
個人向けサービスのうちレジデンシャル(標準・家庭用)やビジネス向けサービスでは使用の有無に関わらず毎月の利用料がかかります。
ただし個人向け・ビジネス向けサービスいずれも契約に期間の縛りはありません。
長期契約ではないため、いつでも解約ができます。
またいずれのサービスでも30 日間無料で試すことができ、サービスが自分に適していないときはキットを返還することで全額返金されます。
スターリンクのアンテナを設置するならみずほアンテナ
みずほアンテナは業界で”初めて“スターリンクアンテナの取付け工事を開始しました。
すでに多数の実績があり、そちらの一部をご紹介します。
施工例①個人のお客様
設置場所:壁面
備考:開けた立地でしたので壁面の設置が適していました。
施工例②個人のお客様
設置場所:屋根の上
備考:住宅密集地でしたが屋根の上に設置することで周囲に遮へいされません。
施工例③法人のお客様
設置場所:屋根の上
備考:屋根の上にテレビアンテナ(八木式)が立っており横に設置しました。
みずほアンテナはテレビアンテナ工事で得た高所作業や取付工事にかかる高度な技術や豊富な経験を活かして、スターリンクアンテナの工事を承っております。
工事対象地域は
【関東/関西/東海/中国/九州/東北】
エリアです。
個人向け・法人向けサービスいずれもお受けしています。
なお、スターリンクアンテナの購入や契約などはお客様ご自身で行っていただく必要があります。
弊社では取り付け工事やセットアップのみを代行しております。
屋外取付け用の金具(オプション金具)がない場合にはみずほアンテナでご用意できます。
費用につきましてはお客様のご用意されているキットにより異なります。
お見積りなどお気軽にお問い合わせくださいませ。
まとめ
(画像引用:Starlink)
以上、スターリンクの使い方を中心に説明してきました。
スターリンクは地域による情報格差をなくすことが目的とされていました。
目的どおりどんな僻地でもスターリンクアンテナさえ設置できればネットを利用できるようになりました。
さらにスターリンクは大災害によってインフラが破壊されたときにも活躍しています。
トンガの火山噴火やウクライナ軍での活躍は有名です。
実はスターリンクは日本に向いているサービスといえます。
日本は山岳地帯や離島などネット環境が満足ではない地域も多く、さらに地震や台風などの自然災害も多くあります。
有線ではないネット通信は心強い方法です。
今後の日本での普及が期待されます。
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