アンテナからテレビまではアンテナケーブルでつなぎます。
ケーブルを引いてきて機械とつなげるだけなら、簡単にできそうです。
アンテナケーブル自体もそれほど特殊なものではなく、家電量販店やホームセンターなどで入手可能です。
ところが、このアンテナケーブルが原因で、テレビが見られなくなることがあるのです。
特に屋外に設置する場合には、トラブルを防ぐためのコツがあります。
以下で、アンテナケーブル配線の重要性と、ケーブルを選ぶ際の注意点、また配線にはどのような異常が考えられるかを確認してみましょう。
【アンテナの配線はどうして重要なのか】
“部屋の中に設置されたテレビで、地デジ放送される番組を見るためには、受信機にアンテナをつなぐ必要があります。
アンテナは屋外設置が基本です。
戸建住戸であれば屋根の上などが多く、マンションなど集合住宅であればベランダや、屋上の共用アンテナを利用します。
受信機とアンテナの間はケーブルでの接続です。
マンションであれば、コンセントの隣にあるテレビ端子にケーブルをつなげばよいので簡単かもしれません。
戸建住宅の場合は事情が異なります。
まず、安全な設置場所を選び、アンテナ自体を十分に固定してください。
そこから部屋の中の受像機まで、アンテナケーブルを配線する必要があるのです。つまり、屋外から屋内にケーブルが配置されるため、防水・防風や耐久性を考えた配線ルートを考えなければなりません。
面倒だからと最も近いルートというだけで配線したり、雨や直射日光にさらされる場所にケーブルを設置したりすると、耐久性が低下して、後にさまざまな問題が発生する原因となります。
【防水性や耐久性など…配線ケーブルを選ぶ際に気をつけたいと】
アンテナケーブルは設置する場所によって使い分けましょう。
最も簡易なテレビ電波受信用のケーブルには、フィーダーケーブルと呼ばれるリボンのような平たいケーブルがあります。
これは主に室内用なので、外部から引き込む用途には同軸ケーブル(Coaxial cable)の使用が基本と考えてください。
同軸ケーブルは、同心円状に導線と絶縁体が巻かれている構造を持つケーブルです。
中心には導体としての銅線があり、その周囲に絶縁体としての発泡ポリウレタンが充填されています。
その上に、アルミ箔や網状の銅線が巻きつけられて、さらにその外側が樹脂でカバーされています。
品番としては主に2系列あり、4C系と5C系です。
4Cとは外径約6mmで絶縁体が4mmのタイプで、5Cとは外径約7.7mmで絶縁体が5mmのものを指し、5C系のほうが太くなります。
屋外などを引き回すには、被覆が厚く防水性や耐久性のある5C系を使うのが一般的です。
4C系は5C系より曲げやすく、細かい取り回しが楽なので、主に室内で使用されます。
【アンテナの配線に起こり得る異常にはどんなケースがある?】
アンテナケーブルの配線が原因で発生するトラブルで最も多いものは、受像品質に関するものです。
アンテナを接地してテレビを見ようとしたときに、ノイズが入って映りが悪かったり、まったく映像が映らないなどの例があります。
このような場合、まずアンテナ自体をチェックしてください。
アンテナが倒れていたり、適切な向きに設置されていないケースが考えられます。
そこで問題がなければ、次にアンテナケーブルを調べましょう。最も初歩的な原因は、ケーブルが抜けている場合です。
明らかに抜けていなくても、接続端子部分にしっかり挿入されていないことがあります。
また、挿入されていても、接触不良を起こしているかもしれません。
この場合は、市販の接点復活保護スプレーなどでクリーニングしてみましょう。
最も深刻なケースは、ケーブル自体の劣化によって、内部が断線している場合です。
5C系などの屋外用同軸ケーブルは被覆が厚いため耐候性に優れます。
それでも気候条件が厳しい地域やケーブルの設置場所が直射日光を受けたり、雨水にさらされるところだと、劣化は早まります。
ケーブルの断線箇所の特定は困難なので、一般的にはすべて交換することになります。
【アンテナの配線に関する相談を受けてくれる業者もある】
アンテナの配線はプロに頼まなくても可能です。
ただし、長い目で見てアンテナ配線に起因するトラブルを避ける意味では、専門業者に依頼したほうがよいでしょう。
特に、屋根などの屋外から屋内にケーブルを引き込む場合には、実績のある専門業者の施工のほうが安心です。
さまざまな条件の異なる場所で、安全かつ確実に設置してきた実績を持つ業者であれば、ノウハウの蓄積もあります。
また、トラブルが発生したときの復旧もスムーズに対処してくれます。
業者に連絡すれば、チェックから修理まで面倒をみてくれるからです。
そもそもトラブルが発生したときに、その原因がアンテナ配線かどうかの判別は、素人には困難でしょう。
原因の特定も含めて費用はかかりますが、トータルのコストを抑えるためには、専門業者への依頼は合理的な選択肢のひとつです。
インターネット上に多くの業者がページを持っているので、比較検討もそれほど難しくありません。
最終的に依頼するかどうかは別にして、ぜひ相談だけでも受けることをおすすめします。