テレビのアンテナには屋根の上やベランダなど屋外に設置するタイプのものと、屋根裏などの屋内に設置できるタイプのものがあります。
これまでは屋外に設置するアンテナが一般的でした。
しかし、「天候の影響を受けにくい」「メンテナンスが容易」などのメリットから、屋根裏にアンテナを設置する家庭が増えつつあります。
そこで、屋根裏にアンテナをつけるメリットや取りつけにかかるコスト、取りつけ後のメンテナンスなど、知っておくと便利な情報を紹介します。
【屋根裏にアンテナをつけるメリットとは?】
従来のアンテナは屋根の上など、屋外に設置するタイプのものが一般的でした。
しかし、天候や障害物の影響で受信状態が悪くなってしまうことが大きな難点です。
台風や大雪の影響でアンテナが傾いたり、方向が変わったりすると、再調整が必要になる場合もあります。
しかし、高所での作業は危険をともなうため自力で調整するのは難しく、専門業者に依頼しなければなりません。
屋根裏にアンテナを設置すれば、天候の影響を受けにくくなります。
屋外設置型のアンテナは常に風雨にさらされているため劣化するおそれがあり、破損や倒壊、落下の危険性がある点がデメリットです。
そのようなリスクが回避できることも、屋根裏にアンテナを設置する大きなメリットといえます。
不具合が起きた場合でも、簡単なメンテナンスや調整なら自分でできるので、わざわざ業者に依頼する手間やコストを削減可能です。
また、家の外観を損なわないという理由で、屋内設置型のアンテナを選ぶ人もいます。
【施工費はどれくらい?長い目で見ると実はお得!?】
屋根裏にアンテナを設置する場合、屋外に設置するよりも施工費はやや高くなる傾向です。
また、屋根裏に設置する場合は平面アンテナという、薄くてフラットなアンテナを使用するのが一般的といえます。
このアンテナも、通常のアンテナに比べると高価です。
さらに、屋根裏は基本的に電波状態が悪い場所。屋根や壁が電波を遮ってしまうため、屋外にアンテナを設置していたときよりも電波の受信レベルが低くなる可能性があります。
そのため、問題なく電波を受信できるよう、ブースターを取りつけなければならない場合も多い傾向です。
しかし、雨や雪が直接当たることはないので、アンテナの損傷や経年劣化のリスクを最小限までおさえることができます。
強風で傾いたり方向が変わったりする心配もないので、悪天候に見舞われるたびに業者を呼ぶ必要もありません。
設置時には費用がかかりますが、その後アンテナを定期的に買い替えたり再設置したりする手間やコストを考慮すると、屋根裏に設置したほうがお得と考えることもできます。
特に、潮風でアンテナが痛みやすい海辺の地域や豪雪地帯では、屋根裏にアンテナを設置するメリットは大きいといえるでしょう。
【設置した後は整備や掃除を忘れずに!】
屋根裏にアンテナを設置すれば、位置がずれてしまったり、破損したりするなどのトラブルが起きることはめったにありません。
しかし、良好な状態を保つためにも、定期的にアンテナをチェックしましょう。
アンテナ本体にホコリやゴミが付着すると、受信状態が悪くなってしまう場合があります。
そのため、屋根裏は定期的に清潔を行ってください。
また、屋根裏を物置として使用している家もありますが、物が多すぎると電波を阻害してしまう可能性があります。
障害物になりそうなものは、できるだけ屋根裏から運び出し、物置は別の場所に設けるようにしましょう。
さらに、屋根裏に動物や虫が入ると、ケーブルを食いちぎったり、アンテナを破損したりするおそれがあります。
動物や虫が侵入しそうな穴や隙間があれば、アンテナを設置する前にふさいでおいてください。
古い家屋の場合は台風や大雪の際に屋根裏に水が入りこみ、アンテナが濡れてしまうことがあります。
故障の原因にもなりかねないので、雨漏りがないよう屋根を修理したうえで、アンテナにカバーをつけるなどの対策を施しておくと安心です。
【施工はプロにおまかせ!】
屋根裏にアンテナを設置する場合、作業にともなう危険が少ないことから、業者に頼まず自分でアンテナを設置しようとする人もいます。
しかし、詳しい知識がないままアンテナを取りつけると、テレビが映らなくなってしまうなってしまうおそれがあるので気をつけましょう。
屋根瓦や壁の素材によっては電波を通しにくく、アンテナを設置しただけでは受信できない場合があります。
これまで何の問題もなく見られたチャンネルが、アンテナを屋根裏に移した途端に映らなくなってしまったというケースも少なくありません。
電波の受信状態によっては、ブースターを取りつけたり、配線や設置場所を見直したりする必要があるので、まずはプロに相談することをおすすめします。
ただし、屋根に太陽光パネルを設置している家では、屋根裏にアンテナをつけることはできません。
将来的に太陽光パネルの導入を検討している場合も、屋根裏でのアンテナ設置は避けたほうが無難でしょう。
また、屋内に設置できるアンテナは地上デジタル放送のアンテナのみです。
衛星放送のアンテナは屋外に設置しなければ受信できないので注意してください。