VHFアンテナは、現在主流となっている地上デジタル放送のテレビ視聴では、使用することができません。
とはいえ、VHFアンテナを撤去せず放置している家庭も多いです。
使用していないアンテナを屋根の上に残しておくと、思わぬトラブルを招くこともあることを知っていますか。
使用しないVHFアンテナは、できるだけ早く取り外すことをおすすめします。
今回は、VHFアンテナを取り外すべき理由や再利用する方法などについて説明します。
【VHFアンテナとは?】
VHFアンテナとは、テレビの地上アナログ放送の受信のためのアンテナです。
テレビ放送の電波が地上デジタル放送に切り替わったことにより、テレビ用のアンテナとしては、UHFアンテナを使用するのが一般的になりました。
VHFアンテナを使用する地上アナログ放送と、UHFアンテナを使用する地上デジタル放送では、使用する電波の周波数が異なります。
地上アナログ放送の電波の周波数は、30MHzから300MHzの間です。
一方、地上デジタル放送の電波の周波数は300MHzから3GHzの間となっています。
このような違いがあることから、VHFアンテナは地上デジタル放送の視聴には使うことができません。
現在のテレビ放送の視聴にはUHFアンテナを使用しますが、なかにはVHFアンテナを残したままUHFアンテナを設置している家庭もあります。
地上アナログ放送と地上デジタル放送は、周波数がまったく異なるため、両方を一緒に設置していても電波の受信には支障がありませんので、なかにはVHFアンテナを屋根の上に残していることを忘れている家庭も多いです。
【不要になったVHFアンテナはどうするべき?】
不要になったVHFアンテナとは、なるべく早く取り外しを行うことをおすすめします。
その理由は、アンテナが劣化すると思わぬけがや事故につながる恐れがあるからです。
アンテナが落下すると、通行人に当たったり、隣の家にぶつかったりする可能性があります。
アンテナの重さは、軽いものなら1キロ、重いものでは5キロ以上です。
頭上から落ちてくるとすれば、いずれもかなりの衝撃が予想されます。
また、アンテナが屋根の上で倒れて屋根を破損することもないとは言えません。
いつも電波を受信して使用しているアンテナなら、壊れたりはずれたりすればテレビが映らなくなるため、すぐにその異変に気付くことができるでしょう。
しかし、普段使っていないアンテナは存在そのものを忘れがちで、壊れていても気付くことができません。
思いがけない危険を未然に防ぐには、使わないアンテナをすぐに撤去するのが望ましいです。
実際に、使用していないアンテナによる被害で損害賠償請求に至ったケースもあります。
使用していないアンテナの管理は、責任をもって行うべきです。
【VHFアンテナは再利用するべきか】
VHFアンテナは地上デジタル放送では使用することはできませんが、ラジオのFM放送のアンテナとして再利用することができます。
VHFアンテナで受信することができる電波の周波数は、30MHzから300MHzの間です。
それに対して、FM放送の電波の周波数は76MHzから90MHzの間となっています。
FM放送の電波の周波数は、VHFアンテナの電波の周波数に含まれています。そのため、VHFアンテナは、FM放送の受信用として使用することが可能です。
ただし、屋根の上に設置してあるVHFアンテナは、テレビの地上アナログ放送を受信するために付けられたものであるため、そのままの状態でFM放送をうまく受信できるとは限りません。
FM放送の電波の基地局の場所を確認したうえで、角度や向きなどを調整する必要があります。
もちろんこの場合には、アンテナが劣化したり壊れたりしていないかも確認しましょう。
一般的にアンテナの寿命は10年といわれているため、VHFアンテナをそれ以上長く使用していた場合は、そもそも再利用することができない場合もあるため注意してください。
また、VHFアンテナをFM放送用として再利用する場合も同様に、FM放送を聞かなくなったら忘れずにアンテナを取り外すようにしましょう。
【不要のアンテナは撤去がおすすめ!】
VHFアンテナをラジオのFM放送用として再利用しない場合は、なるべく早めにアンテナを撤去するのがおすすめです。
放置することで無用なトラブルやリスクを招くことがないようにしてください。
UHFアンテナを設置する際に、同時にVHFアンテナを撤去すれば、一度で作業が済むので手間も少なくなります。屋根の上での作業は危険なため、専門の業者に依頼するようにしてください。
専門家なら短時間でしっかりと作業を終わらせることができます。
また、VHFアンテナを再利用する場合も、角度の調整などが必要なときは、専門の業者に依頼すると安全です。自分で調整しようとすると、なかなかうまくいかずに何度も屋根に登る羽目になる可能性もあります。
屋根の上はつい忘れてしまいがちな場所ですが、きちんと責任をもって管理しましょう。