アンテナでの電波受信はテレビを視聴するためのもっともポピュラーな方法です。
アンテナには地デジアンテナやBSアンテナなど種類があり、それぞれ視聴可能な番組が分かれています。
そんな身近にあるテレビアンテナですが、多くの人にとってどのアンテナにどのような特徴があるのかを説明することは難しいのではないでしょうか。そこで今回は、知っているようでよく知らない地デジアンテナとBSアンテナの違いについて詳しく説明していきます。
【地デジアンテナとbsアンテナ…まず見た目が違う!】
アンテナは通常、屋上や外壁に取り付けられていますが、アンテナは種類によって大きく形が異なります。
地デジアンテナ(UHFアンテナ)とBSアンテナ(パラボラアンテナ)は、見ただけでどちらのアンテナなのかがすぐにわかるほどです。
屋根の上に見かける地デジアンテナで八木式アンテナと呼ばれるものは直線的で複雑な形をしています。
支柱であるステーアームから細い導波器がいくつも伸びており、まるで魚の骨のように見えるでしょう。
UHFアンテナは大きさなどによって導波器の数が異なりますが、導波器が多いほど指向性が鋭くなります。
一方のBSアンテナは、円盤状をしていることが多く、円盤の前にはコンバータという電波を変換する装置と、コンバータに電波を送る放射器がついています。
地デジアンテナにもBSアンテナにも後方からの余計な電波を遮る反射器がついていますが、それぞれ形状は大きく異なります。
前者は線状形をしているのに対し、後者は中央部分がややへこんだ円盤の形が特徴です。
また、地デジアンテナにはデザインアンテナと呼ばれる、見た目の形状が四角く洗練されたものもあります。
モダン建築の家でも外観を気にせず取り付けられます。
【地デジアンテナとbsアンテナでは解像度が違う?】
地デジアンテナとBSアンテナでは、アンテナで受信する映像の解像度にも違いがあります。
地デジ放送の目安は解像度が1440×1080で、ビットレート数が最大で17Mbps程度、周波数は470MHz〜770MHzとなっています。
一方のBS放送のほうは、解像度が1920×1080であり、ビットレート数が最大24Mbps、周波数はだいたい1200MHzです。
BS放送のほうはフルハイビジョンのクオリティをしており、大画面で視聴してもリアルな臨場感を楽しめます。
ただし、解像度などは電波状況によって左右されるため、必ず上記の数字が保証されるわけではありません。
電波の受信状況が良くない場合は、電波増強ブースターの使用で解決される場合があります。
【地デジアンテナとbsアンテナ…選ぶ基準は?】
すでに述べたように、地デジアンテナには八木式アンテナとデザインアンテナの2種類あります。
八木式アンテナのメリットは比較的低価格で、屋根に設置することが多いため感度も良いことです。
しかし、設置工事やメンテナンス、調整などが少々大変となります。
また、天候の影響を受けやすいのもデメリットといえるでしょう。
一方のデザインアンテナは、屋根ではなく外壁に取り付けることが多いため、設置やメンテナンスが楽というメリットがあります。
形状がスリムなため室内に置くことも可能です。
ただ、デザインアンテナは八木式アンテナに比べて価格が高く、外壁に取り付けるため電波の受信強度が弱くなる恐れもあります。電波強度は住んでいる場所によって強・中・弱に分かれています。
自宅のある場所の電波強度を調べることもアンテナ選びの助けとなるでしょう。
BSアンテナを選ぶ際に基準となるのは、円板状の反射器の大きさです。
口径は大きいほど感度が良くなり、電波を多く取り入れられます。
また、何台のテレビに分配するかも重要です。
一戸建てで2〜3台のテレビにつなげるなら45センチ級のもので問題ありません。
しかし、マンション全体をカバーするアンテナなどではその倍の90センチや100センチ級のアンテナを導入したほうが良いでしょう。
【共用はできない2つのアンテナ…視聴したい内容によって決めよう】
地デジアンテナでは地デジしか見ることはできず、BSアンテナではBS放送しか見ることができません。
両方の番組を視聴したければ、どちらのアンテナも設置する必要があります。
地デジアンテナでは電波の中継局が少なく電波が弱いBSを受信できず、BSアンテナでは波長が長い地デジの電波を受信できません。
もしも片方の番組だけを見たいと思うなら、そちらのアンテナだけを選んでください。
よく、テレビアンテナを設置すると設置費用はかかるものの、その後の費用は無料であると説明されることも多いです。
しかし、BSアンテナは設置するとNHK受信料に「衛星契約」がプラスされ、受信料が毎月およそ1000円程度かかります。
この料金はBSアンテナを設置していれば発生するため、もっぱら地デジだけを見てBS放送を見る予定がないのなら、BSアンテナは設置しないほうがお得となります。
このようにアンテナは案外奥深いものです。
アンテナを設置する前にはどの番組を見たいか、住んでいるエリアの電波強度はどのくらいかなどをよく考えてから設置することが重要です。