地デジアンテナに変更してfmラジオが聴けなくなった!対策は?

公開日 2018/12/16

ラジオは20世紀前半から利用されている、非常に歴史のあるメディアです。

21世紀に入っても多くの人が、車の中や外出先、それに自宅などでamラジオやfmラジオを楽しんでいます。

しかし、アナログ放送から地上デジタル放送への移行と同時に、多くの家庭ではfmラジオの受信環境がなくなってしまいました。

地上デジタル放送環境下でも、fmラジオを自宅で楽しむためにはどうすればいいのでしょうか。その方法を紹介します。

 

 

【アナログ放送から地デジに移行した際にfmラジオが使えなくなった!?】

 

アナログ放送から地上デジタル放送への移行に際して、多くの家庭ではfmラジオの視聴が困難になりました。

理由は単純で、アナログ放送で使用していたアンテナが、fmラジオの電波受信設備としての役割も果たしていたのです。

VHFアンテナと呼ばれるこのアンテナは、地上デジタル放送への移行に伴い多くの家庭で撤去されることになります。

地上デジタル放送に変わったことで、テレビは安定してきれいな映像を受信することができるようになりました。

一方で、fmラジオの電波はこれまでのように家庭に届くことが難しくなってしまったのです。

地上デジタル放送が普及した環境でfmラジオを聴く方法はいくつかあります。

1つ目がインターネットを経由した視聴です。

専用のアプリを使うことで、パソコンやスマートフォンなどでこれまで以上に気軽にfmラジオを楽しむことができるようになりました。

インターネットを経由しているため、電波の受信設備が必要なく、またネットにつながる環境であれば地下でも安定した音質を楽しめるのが特徴です。

2つ目が室内アンテナを利用する方法です。室内アンテナを使って電波を受信することで、地上デジタル放送に移行していても問題なくfmラジオを聴くことができます。

ただし、室内に設置するため室外アンテナに比べると電波の受信状況が悪いことがあり、視聴環境はあまりよいとはいえません。

最後に室外アンテナを設置するケースがあります。

 

【アナログ放送で使っていたアンテナはfmラジオに転用可能】

 

室外アンテナを設置する場合、fmラジオ専用のアンテナを設置するのが最も安定した電波の受信環境を作り出す方法です。

基本的に電波は、送信所と受信場所の直線上に大きな障害物や高層マンションなどの遮蔽物によって弱くなる傾向があります。

また、鉄筋コンクリートの建物や金属板を使用した外壁の建物などの場合、建物自身が障害となって電波が入りにくくなってしまいます。

そのため、室内アンテナに比べてfmラジオ用の室外アンテナを設置するほうが、fmラジオの受信環境を劇的に高めることが可能です。

しかし、もしアナログ放送で使用していたVHFアンテナが残っているのであれば、それをfmラジオ用に転用することできます。

VHFアンテナの周波数は、30MHzから300MHzになります。アナログ放送ではこのうち90MHzから222MHzの範囲の電波が使用されていました。

一方fmラジオの周波は、76MHzから90MHzの範囲が使われています。

つまり、VHFアンテナはアナログ放送だけでなく、fmラジオを受信することができる周波数なのです。

fmラジオを楽しみたいけれど、わざわざ新しく屋外アンテナを立てるのは面倒、という人はVHFアンテナの転用を検討してみてもよいでしょう。

 

【fmラジオの電波を受信する際の注意点】

 

VHFアンテナの転用を考える場合に注意する点がいくつかあります。

まず、アンテナの寿命はおよそ10年です。地上デジタル放送以前に設置したVHFアンテナを転用する場合、耐用年数を超えていないかを調べる必要があるでしょう。

劣化したアンテナは台風や強風で落下する危険性があり、その結果自宅や近隣住宅に損害を与えることも十分に考えられます。

次に設置する向きに注意が必要です。

アナログ放送で使っていたVHFアンテナは、テレビ放送の電波の受信に適した方向を向いているはずです。

しかし、fmラジオの電波の方向がテレビと同じとは限りません。

多くの場合、アンテナの向きを変えて、安定した電波を取ることができる方向を見つける作業が必要となります。

アンテナの向きを変えるときには、必ず専門の業者に依頼しましょう。屋根の上での作業には大きな危険が伴います。

作業に不慣れな人が行うと転落のリスクが高いだけでなく、作業自体を満足に行うことができません。

また、専門業者は安定した電波の取り方を知っていますので、自分でやるよりもはるかにいい音質でfmラジオを楽しむことができます。

少しの出費を惜しんで屋根から転落し大怪我をした、といったことにならないためにも専門業者に頼むほうがよいでしょう。

最後の注意点として、VHFアンテナは受信状況の悪いamラジオの受信環境改善にはつながらない点が挙げられます。

fmラジオとamラジオでは周波数や方式がまったく異なります。

そのため、VHFアンテナの転用によってfmラジオが聴けるようになったからといって、amラジオも聴けるようになるとは限りません。

VHFアンテナの転用は、あくまでfmラジオの受信環境改善に限って利用することが可能です。

 

 


みずほアンテナ編集部
年間3万件以上の施工実績を誇るみずほアンテナの専門チームがテレビアンテナ工事について初心者の方にも分かりやすく解説します。

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